大学生が起業を考え始めたとき、多くの人がこう感じます。
- 税金の話が出た瞬間、思考が止まる
- 会計用語が出ると急に難しく感じる
- 「あとで大きな請求が来るんじゃないか」と不安になる
この不安の正体は、税金そのものではありません。本当の原因は、「売上・利益・所得の違いが分かっていないこと」
これに尽きます。逆に言えば、この3つの違いをきちんと理解できれば、税金は「怖いもの」から「予測できるもの」に変わります。難しい内容ではないので是非読んで理解を深めて下さい。
「売上」だけを見てしまう人
起業でよくある誤解があります。
「売上が増えたら、税金も一気に増えるんでしょ?」
これは半分正解で、半分間違いです。
なぜなら、税金は「売上」に対して直接かかるものではないからです。それなのに税金が怖くなるのは、
多くの大学生が売上しか見ていないから。まずは、ここから整理していきましょう。
売上とは何か?
売上とは、あなたが提供した商品やサービスの対価としてお客さんから受け取った金額の合計です。
- 商品を1万円で売った → 売上1万円
- 5万円の仕事を受けた → 売上5万円
ここまでは直感的に分かると思います。ですが、売上=儲けではありません。売上は、あくまで「入ってきたお金の総額」にすぎません。
売上があっても、お金は残らないことがある
例えば、こんなケースを考えてみてください。
- 売上:100万円
- 広告費:40万円
- 外注費:30万円
- その他経費:20万円
この場合、売上は100万円ありますが、手元に残るお金はほとんどありません。それでも、売上だけを見れば「100万円稼いだ人」です。ここで初めて出てくるのが、次の概念です。
利益とは何か?
利益とは、売上から経費を引いたあとの金額です。式にすると、こうなります。
売上 − 経費 = 利益
先ほどの例で言えば、
- 売上:100万円
- 経費合計:90万円
なので、
- 利益:10万円
となります。
重要なのは、税金は売上ではなく、基本的にこの「利益」を基準に考えるという点です。売上がどれだけ大きくても、
利益が小さければ税金も小さい。ここを理解できていないと、税金はいつまでも「正体不明の恐怖」になります。
それでも「利益=税金がかかるお金」ではない
ここで、もう一段階踏み込みます。多くの大学生は、「利益が出たら、そこに税金がかかる」と考えがちです。実は、これも正確ではありません。なぜなら、税金を計算するときに使われるのは「所得」だからです。
所得とは何か?
所得とは、利益から、さらに一定の控除を引いたあとの金額です。つまり、
利益 − 各種控除 = 所得
という関係になります。ここでいう「控除」とは、
- 基礎控除
- 青色申告特別控除
- その他、条件に応じた控除
などのことです。特に大学生では、基礎控除(48万円)が大きなポイントになります。
なぜ「所得」が重要なのか?
税金は、この「所得」に対してかかるからです。つまり、
- 利益が出ていても
- 所得がゼロ、または小さければ
税金はほとんど、あるいは全くかからないというケースも珍しくありません。ここを知らないと、
- 「少し利益が出ただけで、税金が大変そう」
- 「稼いだら、ほとんど持っていかれるんでしょ?」
という不安が生まれます。でも実際には、利益 → 所得 → 税金という順番で、段階的に計算されているのです。
売上・利益・所得を混同すると何が起きるか?
この3つを混同していると、次のような問題が起きやすくなります。
① 稼ぐこと自体が怖くなる
「売上が増えたら税金が怖い」という思考になり、
- 価格を上げられない
- 仕事を受けるのをためらう
- 成長のチャンスを自分で止める
という状態に陥ります。これは、起業においてかなり致命的です。
② お金の管理が感覚頼りになる
- なんとなく余裕がある気がする
- なんとなく足りなそうな気がする
こうした曖昧な感覚で動くと、
- 税金の支払い時期に焦る
- 手元資金が足りなくなる
といったトラブルにつながります。
③ 税金が「突然襲ってくる敵」に見える
本来、税金は事前に予測できるものです。ですが、売上・利益・所得の違いを理解していないと、
- ある日突然請求される
- 理由が分からない
- 理不尽に感じる
という感覚になります。これが、「税金は怖い」という感情の正体です。
起業で身につけるべきお金の見方
起業では、次の順番で数字を見る癖をつけてください。
- 今月の売上はいくらか
- 何にいくら使ったか(経費)
- 結果として、いくら残ったか(利益)
- 税金の対象になるのはいくらか(所得)
この流れが頭の中でつながると、税金は「未知の存在」ではなくなります。
難しい計算ができなくても問題ない
ここで安心してほしいのは、
- 複雑な税率を暗記する必要はない
- 会計の専門家になる必要もない
ということです。必要なのは、お金がどう減り、どう残り、どこから税金が生まれるかという構造の理解だけ。この構造が分かっていれば、
- 税金に過剰に怯えることも
- 根拠のない楽観も
どちらもしなくなります。
まとめ|税金の恐怖は「知識不足」から生まれる
税金が一生怖い人と、冷静に向き合える人の違いは、たった一つです。売上・利益・所得の違いを理解しているかどうか。
- 売上:入ってきたお金の総額
- 利益:売上から経費を引いた残り
- 所得:利益から控除を引いた課税対象
この3つを切り分けて考えられるようになると、税金は「よく分からない存在」ではなくなります。早いうちに、
この感覚を身につけておくことは、将来どんな働き方を選んでも、大きな財産になります。税金が怖いのは、
あなたが向いていないからではありません。仕組みを知らないだけ。そしてそれは、今ここで、確実に解消できます。あとの実務としては、この辺りも簡単に出来る会計ソフトを入れてみて下さい。会計ソフトに関する下記の記事も是非お読みください。
