大学生が起業を考え始めたとき、ほぼ必ず一度は出てくるテーマがあります。
それが、
「借金してでも起業すべきか?」
「自己資金がないなら、借りるしかないのか?」
という問題です。SNSや起業本を見ると、「借金して人生が変わった」「背水の陣で成功した」といった話が目に入ります。一方で、「借金は絶対ダメ」「大学生で借金するなんて無謀」という声もあります。では結局、大学生が借金して起業するのはアリなのか、ナシなのか。結論から言うと、これは単純な二択ではありません。
「条件次第でアリにもなるが、ほとんどの大学生にとってはナシに近い」これが現実的な答えです。借入して起業しようかどうか迷っている人は是非お読みください。少しでもお役に立てれば幸いです。
借金=悪、ではないが「重さ」を知らないのは危険
まず前提として、借金そのものが絶対悪というわけではありません。企業も国も、借金をして成長しています。弊社も借り入れは沢山あります(苦笑)
問題は、「借金の重さを理解しないまま背負うこと」です。大学生にとっての借金は、
・収入が安定していない
・信用力が低い
・返済余力が小さい
という条件下で背負うものになります。この状態での借金は、社会人や経営者が借りるお金とは意味がまったく違うのです。
大学生が借金を考えたくなる本当の理由
大学生が借金を考える背景には、次のような心理があります。
・早く結果を出したい
・周りより先に進みたい
・失敗したくないから準備を完璧にしたい
つまり、「不安をお金で解決しようとしている」ケースが非常に多いのです。ですが、起業において不安は、借金をしても消えません。
むしろ、
・返済しなければならない
・失敗できない
・焦りが増す
といった形で、不安は何倍にも膨らみます。
借金が起業にもたらす最大のリスク
大学生の起業における借金の最大のリスクは、判断を歪めることです。
借金をすると、
・早く回収しなければならない
・失敗が許されない
・冷静な改善より即金を選びがち
こうした思考に陥りやすくなります。その結果、
・短期的に儲かりそうなことに飛びつく
・怪しい話を断れなくなる
・方向転換が遅れる
という悪循環に入ります。起業初期に一番大切なのは、試行錯誤と修正の余白です。借金は、この余白を一気に奪います。
「借金しないと始められない起業」は要注意
もし、「借金しないとスタートできない」のであれば、その起業アイデア自体を一度疑った方がいいです。
今の時代、
・初期費用ほぼゼロ
・小さく試せる
・売れたら拡大できる
起業モデルはいくらでもあります。大学生の起業の強みは、時間と身軽さです。それを捨ててまで借金をする必要があるのか、冷静に考える必要があります。
それでも「アリ」になるケースはある
ここまで読むと、「じゃあ借金は全部ダメなのか?」と思うかもしれません。答えはNOです。ただし、かなり条件は厳しくなります。大学生が借金しても「アリ」になり得るのは、次のようなケースです。
・すでに売上実績がある
・返済計画が数字で説明できる
・借金がなくても生活が破綻しない
・借りる理由が明確で、感情的ではない
つまり、借金がスタートではなく「加速装置」になっている場合です。
「奨学金」と「事業借金」は別物として考える
大学生の場合、奨学金を借りている人も多いでしょう。ここで重要なのは、奨学金と起業のための借金を混同しないことです。
奨学金は、
・学業のため
・返済期間が長い
・比較的条件が緩い
一方、事業借金は、
・結果が出なければ詰む
・短期間で返済が始まる
・精神的負担が大きい
性質がまったく異なります。「奨学金を借りているから、もう一つ借りても同じ」という考え方は、非常に危険です。
借金より先に検討すべき選択肢
大学生の起業では、借金を考える前に必ず検討すべき選択肢があります。
・アルバイトで最低限の資金を作る
・固定費を下げる
・小さく売って回す
・無料ツールを徹底活用する
これらをやり切ってからでも、借金は遅くありません。借金は「最後の選択肢」に置くものです。
「背水の陣」は美談になりやすいだけ
借金して成功した話が目立つのは、成功した人の話だけが残るからです。同じように借金して、
・精神的に追い込まれ
・判断を誤り
・静かに消えていった人
の話は、ほとんど表に出ません。大学生の起業で目指すべきは、美談ではなく、生き残ることです。
まとめ:大学生の起業において借金は「原則ナシ」
ここまでをまとめます。
・借金そのものは悪ではない
・だが大学生にとってはリスクが極端に大きい
・不安解消のための借金はほぼ失敗する
・原則は「借りずに始める」
・どうしても借りるなら、条件を厳しく確認する
大学生の起業の最大の武器は、失敗してもやり直せることです。借金は、その武器を一気に鈍らせます。まずは、「借りずにどこまでできるか」を徹底的に試してください。それでも必要になったとき、初めて借金を検討する。この順番を守れる人が、長く起業に向き合える人です。借金が膨らみ、会社を潰していった経営者を沢山見てきました。脅すわけではありませんが、慎重に進んでいってくださいね。お時間のある方は下記も是非お読みください。
