法人化したら税金はどうなる?

  • 「そろそろ法人にした方がいいんじゃない?」
  • 「法人化すると節税できるよ」
  • 「個人より会社の方が有利らしい」

この話を聞いた多くの大学生は、こう感じます。

「法人化すると税金ってどう変わるの?」
「正直、よく分からないけど得ならしたい…」

結論から言うと、法人化=自動的に得になるわけではありません。税金の仕組みが変わり、メリットもデメリットもはっきり増えます。

この記事では、

  • 個人事業と法人の税金の違い
  • 法人化すると何が変わるのか
  • 大学生起業家が判断を間違えやすいポイント

を、書いていきますので是非お読み下さい。


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法人化=「ステージが変わる」

法人化とは、

「個人として稼ぐ」から「会社という箱を作って稼ぐ」へ変わること

です。これは単なる手続きではなく、税金・お金・責任の考え方が一段階変わることを意味します。


個人事業のときの税金

大学生が起業する際の多くは、最初は個人事業です。このときに関係する主な税金は、

  • 所得税
  • 住民税

です。

ポイントは「利益=自分の所得」

個人事業では、

売上 − 経費 = 利益(=自分の所得)

この利益に対して、

  • 所得税(累進課税)
  • 住民税(ほぼ一定)

がかかります。つまり、

  • 稼げば稼ぐほど
  • 税率が上がっていく

仕組みです。


法人化すると何が一番変わるのか?

法人化すると、税金の前提が大きく変わります。

一番重要なのは、ここです。

「利益=社長個人のお金」ではなくなる

法人になると、

  • お金は会社のもの
  • 社長は「会社から給料をもらう立場」

になります。この分離が、税金の考え方を大きく変えます。


法人になると増える税金の種類

法人化すると、主に次の税金が登場します。

① 法人税

② 法人住民税

③ 法人事業税

さらに、社長個人には

④ 給与に対する所得税・住民税

がかかります。ここでよくある誤解が、

「法人にすると税金が一種類になる」

というものですが、実際は逆で、管理する税金は増えます。


法人税とは?

法人税は、

会社の利益にかかる税金

です。ポイントは、

  • 税率がほぼ一定
  • 個人のような累進課税ではない

という点です。そのため、

  • 利益が小さいうちは個人の方が有利
  • 利益が大きくなると法人の方が有利

という逆転現象が起こります。


なぜ「法人化=節税」と言われるのか?

法人化が節税と言われる理由は、主にこの2つです。


理由① 給料として分けられるから

法人になると、

  • 会社の利益
  • 社長の給料

を分けて考えられます。すると、

  • 利益を全部まとめて課税
  • という形を避けられる

ようになります。これにより、税金のかかり方をコントロールしやすくなるというメリットが生まれます。


理由② 経費として認められる範囲が広がる

法人になると、

  • 社会的な信用
  • 契約主体

が「会社」になります。その結果、

  • 役員報酬
  • 福利厚生
  • 事業関連の支出

など、経費の考え方が広がるケースがあります。ただし、「何でも経費になる」わけではありません。


勘違いしやすい法人化の落とし穴

ここは、かなり重要です。


落とし穴① 利益が少ないのに法人化する

法人には、

  • 赤字でも必ずかかる税金
  • 毎年の固定コスト

があります。たとえば、

  • 法人住民税の均等割
  • 税理士費用
  • 事務コスト

など。利益が少ないうちに法人化すると、

「節税どころか、出費が増える」

という状態になりがちです。


落とし穴② 税金だけで判断する

法人化を、

  • 税金が安くなるか
  • 節税になるか

だけで決めるのは、かなり危険です。法人化は、

  • 信用
  • 契約
  • 責任
  • お金の管理

すべてが変わります。税金は判断材料の一部にすぎません。


落とし穴③ 「法人=自由にお金を使える」と思う

法人化すると、

  • 会社のお金
  • 社長個人のお金

は、明確に分かれます。ここを曖昧にすると、

  • 会計が崩れる
  • 税務上のリスクが増える

という問題が起こります。


法人化を考え始める目安

あくまで目安ですが、法人化を検討し始めるラインは、

  • 利益が安定して出ている
  • 年間でそれなりの金額になっている
  • 今後も継続・拡大の見込みがある

この3点がそろってからです。逆に言えば、

  • 売上が不安定
  • まだ実験段階

なら、無理に法人化する必要はありません。


法人化で一番大きく変わるのは「意識」

税金の話をここまでしてきましたが、実は一番大きく変わるのは意識です。法人化すると、

  • お金を「会社のお金」として扱う
  • 長期視点で考える
  • 説明責任が増える

という変化が起きます。これは、起業家として一段階成長するタイミングとも言えます。


大学生へのメッセージ

法人化は、

  • 早い方が偉い
  • した方が正解

というものではありません。「今の自分のステージに合っているか」それだけが判断基準です。税金が変わるのは事実ですが、それ以上に、

  • 責任
  • お金の扱い方
  • 視点

が変わります。起業初期のうちは、

  • まず個人で経験を積む
  • 数字と向き合う
  • 利益を出す

この土台を作ることが最優先です。法人化は、その先に自然と見えてくる選択肢です。法人化するタイミングはありますから、それまで頑張って下さい。応援しています!お時間のある方は下記もお読み下さい。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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