大学生起業を始めたばかりの頃、こんな感覚になる人は少なくありません。
- 「売上が入った!思ったより稼げてる」
- 「大学生にしては、まあまあじゃない?」
- 「今は勢いが大事だから、細かいことは後で考えよう」
このテンション自体は、決して悪いものではありません。
行動力や挑戦心は、起業においてとても大切です。
ただし、この時期に多くの大学生起業家が無意識に身につけてしまう
ある危険な習慣があります。
それが、
「税金を考えずにお金を使ってしまう」習慣
です。
この習慣は、
すぐに大きなトラブルを生むわけではありません。
むしろ、しばらくは何も起きないのが一番の問題です。
この章では、
- なぜ大学生起業家は税金を考えずに使ってしまうのか
- その習慣がどんなリスクを生むのか
- どうすれば安全な考え方に切り替えられるのか
を、リアルな失敗構造に沿って解説します。
なぜ大学生起業家は「税金」を忘れてしまうのか?
まず前提として、
大学生起業家が税金を考えずにお金を使ってしまうのは、
だらしないからでも、頭が悪いからでもありません。
理由は、とても構造的です。
理由①「入ってきたお金=全部使っていい」と錯覚しやすい
大学生起業では、売上が立つと
- 銀行口座にお金が振り込まれる
- 手元にキャッシュが増える
この瞬間、
「これは自分のお金だ」
と、無意識に認識してしまいます。
ですが、実際にはこの中に、
- 将来支払う税金分
- まだ確定していない義務のお金
が含まれています。
大学生起業家は、
「売上」と「使っていいお金」の区別を教わらないまま
起業を始めるため、ここでズレが生まれます。
理由② 税金は「後から来る」から実感が湧かない
税金の厄介なところは、
- 売上が立った瞬間には取られない
- しばらく何も起きない
という点です。
- 今は大丈夫
- 口座にもお金がある
- 何も請求されていない
この状態が続くと、
「あれ?意外と余裕じゃん」
という錯覚が起きます。
そして、
税金の存在を忘れたまま生活レベルや支出が上がる
という流れに入ってしまいます。
理由③ 周りに「税金で失敗した大学生」が見えにくい
大学生起業の世界では、
- 成功談
- 売上自慢
- 成長ストーリー
はよく見えます。
一方で、
- 税金で詰んだ話
- お金が足りなくなった話
は、あまり表に出てきません。
そのため、
「みんな何とかやってるっぽい」
と感じ、
危機感を持ちにくいのです。
税金を考えずに使うと、何が危険なのか?
ここからは、
この習慣が引き起こす具体的なリスクを見ていきます。
危険①「払うお金が足りない」状態に突然なる
最も典型的なパターンです。
- 売上はそこそこある
- 生活費や投資に使ってしまった
- 口座に余裕がない
そんな状態で、ある日ふと気づきます。
「あれ、税金っていつ払うんだっけ?」
調べてみると、
- 住民税
- 所得税
の支払いが、
まとめてやってくることを知ります。
ここで初めて、
「え、こんなに払うの?」
となり、
キャッシュ不足に陥ります。
危険②「稼いでいるのに不安が消えない」
税金を考えずに使っている大学生起業家ほど、
- 売上が増えているのに
- なぜか常に不安
という状態になります。
理由はシンプルで、
- 本当に使っていい金額が分からない
- 将来いくら残るか見えない
からです。
これは、
会計と税金を切り離して考えている状態で起こります。
危険③「無意識に生活レベルが上がる」
売上が増えると、
- 外食が増える
- ガジェットを買う
- ちょっとした贅沢が増える
という変化が起きやすくなります。
ですが、その支出は
- 税金を引いた後の利益
- 将来の手取り
を基準にしていないことがほとんどです。
結果、
- 稼いでいるはずなのに
- いつもお金が残らない
という状態になります。
危険④「税金=敵」という感情が生まれる
税金を考えずに使ってしまった後に、
まとめて支払いが来ると、
「え、こんなに取られるの?」
という感情が生まれます。
すると、
- 税金が憎い
- 国に搾取されている気分
になりやすくなります。
本来、税金は
- 利益が出た結果として払うもの
なのに、
「奪われるもの」
という歪んだ認識に変わってしまいます。
実は一番危険なのは「悪気がない」こと
ここで重要なのは、
税金を考えずに使ってしまう大学生起業家の多くは、
悪気が一切ないという点です。
- 知らなかった
- 考えたことがなかった
- 誰も教えてくれなかった
この状態で起こるミスほど、
後からリカバリーが大変になります。
危険な習慣から抜け出すための考え方
では、どうすればいいのか。
答えは、
難しい節税や専門知識ではありません。
✔「売上=自分のお金」ではないと理解する
まずはこの意識だけでOKです。
売上の一部は、
最初から「使えないお金」
この前提を持つだけで、
使い方は自然と変わります。
✔ 利益の2〜3割は最初から別枠にする
おすすめなのは、
- 売上が入ったら
- 利益の2〜3割を
- 「触らないお金」として確保
これだけで、
- 税金の不安
- 急な支払い
は、ほぼ消えます。
✔ 税金を「後処理」ではなく「前提」にする
税金は、
- 後から考えるもの
- 面倒な処理
ではなく、
最初から前提に置くもの
この意識に変わるだけで、
起業のお金の使い方は一段階レベルアップします。
大学生起業家へのメッセージ
税金を考えずに使ってしまうのは、
多くの大学生起業家が一度は通る道です。
でも、そのまま放置すると、
- 稼いでいるのに苦しい
- お金の不安が消えない
- 起業がしんどくなる
という状態に近づいていきます。
大切なのは、
「気づいたタイミングで、考え方を切り替えること」
それだけです。
税金を意識することは、
起業の自由を奪うものではありません。
起業を長く、安心して続けるための安全装置
それが、税金という存在です。
