起業初期に貯金はいくら必要か?

― 20代学生がゼロから起業するための現実的な資金設計 ―

「起業するには、いくら貯金が必要ですか?」

20代学生がゼロから起業を考えたとき、ほぼ全員が最初にぶつかる疑問です。
そして同時に、ここで不安になりすぎて行動が止まってしまう人も少なくありません。

結論から言うと、
起業に必要な貯金額に“絶対の正解”はありません。

ただし、
「考え方の正解」と「最低限の目安」は存在します。

この記事では、精神論ではなく、
学生起業家が現実的に生き残るための貯金の考え方を、段階的に解説します。

なぜ「起業資金」より「生活資金」が重要なのか

起業というと、多くの人が真っ先に考えるのが、

・開業資金はいくら必要か
・初期投資はいくらかかるか

という点です。

しかし、学生起業において本当に重要なのは、
事業資金よりも生活資金です。

なぜなら、起業初期はほぼ確実に、

・すぐに売上は立たない
・収入は安定しない
・思ったより時間がかかる

からです。

事業がうまくいかなくなる原因の多くは、
「ビジネスモデルが悪い」よりも、

生活が先に詰むことにあります。

起業初期に必要な貯金は「生活費 × 期間」で考える

貯金額を考えるときは、シンプルに以下で考えます。

・月の最低生活費
・何ヶ月分耐えたいか

これだけです。

まずは、最低生活費を洗い出します。

例として、実家暮らし・一人暮らしを想定します。

実家暮らしの場合
・食費、通信費、交際費など
月5万〜8万円程度

一人暮らしの場合
・家賃、食費、通信費、水道光熱費
月10万〜15万円程度

ここで重要なのは、
「普通の生活費」ではなく、最低限の生活費で考えることです。

学生起業家におすすめの貯金期間の目安

次に、「何ヶ月分あれば良いか」です。

よく言われる目安は以下です。

・3ヶ月分
・6ヶ月分
・12ヶ月分

それぞれの意味を解説します。

3ヶ月分の貯金

正直に言うと、
かなりギリギリです。

・短期間で売上を作る必要がある
・精神的プレッシャーが強い
・判断が焦りやすい

スキルがすでにあり、
「確実に稼げる見込みがある人」向けです。

初心者にはおすすめしません。

6ヶ月分の貯金

学生起業家にとって、
現実的でバランスの良いラインです。

・試行錯誤する時間が取れる
・焦らず改善できる
・メンタルが安定しやすい

多くの学生起業家は、
最低でも6ヶ月分を目標にすると良いでしょう。

12ヶ月分の貯金

これは理想形です。

・精神的余裕が大きい
・長期目線で事業設計できる
・失敗から学ぶ余地がある

ただし、
貯めるのに時間がかかりすぎて、
挑戦が遅れるなら本末転倒です。

具体的な貯金額の目安

では、金額にするとどれくらいでしょうか。

実家暮らしの場合
・月6万円 × 6ヶ月 = 約36万円
・月6万円 × 12ヶ月 = 約72万円

一人暮らしの場合
・月12万円 × 6ヶ月 = 約72万円
・月12万円 × 12ヶ月 = 約144万円

つまり、学生起業の場合、

30万〜100万円前後がひとつの現実的な目安になります。

「思ったより少ない」と感じた人もいるかもしれません。

それは正しい感覚です。

起業に「数百万円」は本当に必要なのか?

ネットやSNSを見ると、

・起業には最低300万円
・資金がない起業は無謀

といった情報を目にすることがあります。

しかし、これは業種による話です。

学生起業で多いのは、

・Web系
・SNS運用
・デザイン、動画、ライティング
・代行、サポート、コンサル系

これらは、
ほぼ初期費用ゼロで始められます。

大きな設備投資が必要なビジネスと、
学生起業を同じ基準で考える必要はありません。

貯金が少なくても起業できる人の共通点

実は、貯金額よりも重要な要素があります。

それは、

・生活コストを下げられる
・小さく稼ぐ発想がある
・固定費を極限まで抑える

という点です。

貯金が少なくても、

・実家に住む
・アルバイトと並行する
・最初は月数万円を目標にする

こうした戦略を取れば、
十分に起業は可能です。

「貯金が減る恐怖」とどう向き合うか

貯金を切り崩すことに、
強い不安を感じる人も多いです。

しかし、ここで大切なのは、

貯金は減らすためにある

という考え方です。

起業初期は、
貯金を守るフェーズではなく、

・時間を買う
・経験を積む
・スキルを高める

ために使うフェーズです。

もちろん、無計画に使うのはNGですが、
「減ること=失敗」ではありません。

最初から貯金ゼロはNGなのか?

結論から言うと、
おすすめはしません

理由はシンプルで、

・精神的に追い込まれる
・判断が短期的になる
・ブラックな案件を掴みやすい

からです。

どうしても貯金が少ない場合は、

・アルバイト併用
・副業スタート
・支出を極限まで削減

この3点を必ずセットで考えましょう。

まとめ:起業初期の貯金は「安心を買うため」

最後に、重要なポイントを整理します。

・起業資金より生活資金が重要
・最低生活費を基準に考える
・6ヶ月分が現実的な目安
・学生起業は少額でも始められる
・貯金は減らすためにある

起業初期の貯金は、
「成功を保証するお金」ではありません。

行動を続けるための安心材料です。

完璧に貯めてから始める必要はありません。
必要なのは、現実を理解したうえで、一歩踏み出すことです。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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