起業家が「今やるべきこと」に集中できる理由

― 先の不安を消したからではなく、「順番」を理解しているだけ ―

起業を考える大学生の多くが、こんな悩みを抱えています。

・やるべきことが多すぎて手が止まる
・将来の不安が頭から離れない
・今やっていることが正しいのか分からない
・結局、何に集中すればいいのか見えない

一方で、実際に起業を続けている人を見ると、
不思議なほど落ち着いて
「今やるべきこと」だけに集中
しています。

彼らは特別に意志が強いわけでも、
不安を感じないわけでもありません。

起業家が「今」に集中できる理由は、
未来を考えていないからではなく、
未来への向き合い方を間違えていないから
です。


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1. 起業家は「全部同時に考えない」

起業を始めたばかりの大学生ほど、
こう考えがちです。

・ビジネスモデル
・集客方法
・収益化
・将来のキャリア
・失敗した時の保険

これらを同時に解決しようとします。

しかし起業家は、
この思考そのものが非効率だと知っています。

起業は、
同時進行で解く問題ではありません。

・今は検証のフェーズ
・今は型を作るフェーズ
・今は拡大を考えるフェーズ

フェーズごとに
「考えるべき問い」は違います。

起業家が集中できるのは、
今のフェーズ以外の問題を、意図的に棚上げしている
からです。


2. 「今やるべきこと」は1つか2つしか存在しない

起業家のToDoリストは、意外なほど短いです。

なぜなら、
起業の各フェーズにおいて、
成果に直結する行動は
常に1〜2個しかない
と理解しているからです。

・今は需要があるか確かめる
・今は1件でも売る
・今は反応を数字で見る

それ以外のことは、
「大事そう」に見えても、
今やる必要はないと判断しています。

大学生が迷うのは、
やることが多いからではなく、
削る基準を持っていないからです。


3. 起業家は「先の不安」を行動に持ち込まない

将来への不安は、
誰でも感じます。

・このまま続けて大丈夫か
・結果が出なかったらどうするか
・就職した方がいいのでは

起業家も、
同じ不安を感じています。

違いは、
不安を“今の行動”に反映させない
という点です。

起業家はこう考えています。

・将来の不安 → 今すぐ解決できない
・今の行動 → 今すぐ変えられる

だから、
コントロールできない未来ではなく、
コントロールできる今に集中する
のです。


4. 「今」に集中できる人は、判断基準を持っている

起業家が迷わない理由は、
選択肢が少ないからではありません。

判断基準が明確
だからです。

例えば、こんな基準です。

・これは売上 or 検証に直結するか
・今のフェーズで必要か
・やらなかったら致命的か

この基準を通らない行動は、
どれだけ魅力的でも
「今はやらない」
と決めます。

判断基準がないと、
人は「感情」で選び始めます。

・不安だから勉強
・焦るから行動を増やす
・安心したいから準備

これが、集中力を奪う最大の原因です。


5. 起業家は「未来のために今を犠牲にしない」

大学生起業家がよく陥る罠があります。

それは、
「将来のために、今やるべきことを後回しにする」
という状態です。

・もっと勉強してから
・準備が整ってから
・自信がついてから

しかし起業家は、
未来は
今の積み重ねからしか生まれない
と知っています。

未来の安心を理由に
今の行動を止めることが、
最も未来を遠ざける行為だと理解しているのです。


6. 「今」に集中できるのは、完璧を捨てているから

完璧主義は、
集中力の最大の敵です。

・もっと良くできるはず
・まだ足りない
・失敗したくない

こうした思考は、
今の行動を止め、
未来への不安を増幅させます。

起業家は、
最初からこう決めています。

「今は完成度を求めるフェーズではない」

だから、
・60点で出す
・反応を見て直す
・進みながら整える

この前提があるから、
「今やるべきこと」に集中できます。


7. 起業家は「今の行動」を評価基準にしている

大学生は、
結果で自分を評価しがちです。

・売上が出たか
・評価されたか
・成功しているか

しかし起業家は、
評価基準が違います。

・今日はやるべき行動をやったか
・検証を1つ進めたか
・昨日より理解が深まったか

つまり、
結果ではなく、行動で自分を評価
しています。

この評価軸を持っているから、
結果が出ない時期でも、
今に集中し続けられます。


8. 「今」に集中できない正体は「一気に変えたい欲」

集中できない原因を、
能力や性格の問題だと
誤解している人が多くいます。

しかし多くの場合、正体はこれです。

一気に人生を変えたい欲

・早く結果を出したい
・正解を確信したい
・不安をまとめて解消したい

この欲求が強いほど、
人は今の一歩を軽視します。

起業家は、
人生は
小さな修正の積み重ねでしか変わらない
と理解しています。

だから、
今の一歩に集中できます。


9. 大学生起業家が「今」に集中すべき理由

大大学生の起業は、
将来を確定させる場ではありません。

・向いているか確かめる
・経験値を積む
・判断力を育てる

そのための期間です。

にもかかわらず、
「この選択が一生を決める」
と思ってしまうと、
今に集中できなくなります。

起業家は、
今やっていることを
仮説検証として捉えています。

仮説なら、
全力で試せる。


10. 「今やるべきこと」に集中できる最大の理由

最後に、本質を一言でまとめます。

起業家が「今やるべきこと」に集中できる理由は、
未来は今の積み重ねでしか作れないと、腹落ちしているから
です。

・未来を考えないわけではない
・不安がないわけでもない

それでも、
未来を動かせる唯一の場所が
「今」だと知っている。

だから、
余計なことを削ぎ落とし、
目の前の一歩に集中します。


まとめ:集中力は才能ではなく「設計」で生まれる

起業家が集中できるのは、
特別な能力があるからではありません。

・フェーズを分けて考えている
・判断基準を持っている
・完璧を求めていない
・未来と今を混同していない

この設計があるから、
「今やるべきこと」が自然と見えるのです。

大大学生の起業に必要なのは、
すべてを正しくやることではありません。

今やるべき一つを、ちゃんとやること。

それを積み重ねた人だけが、
後から振り返った時に、
「ちゃんと前に進んでいた」
と気づきます。

今に集中できる人は、
未来を恐れていない人ではありません。
未来を今に任せられる人です。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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