起業家が「収入の柱」を意識する理由

起業を考え始めた大学生の多くが、最初に抱くイメージは「一つのビジネスで大きく稼ぐ」というものです。
SNSで見かける成功者の発信や、華やかな起業ストーリーを見れば、「一本の事業で人生を変えたい」と思うのは自然なことです。

しかし、起業初期から“収入の柱”を意識できるかどうかは、その後の生存率を大きく左右します。
実は、多くの起業家が失敗する理由は「能力不足」でも「努力不足」でもなく、収入構造の設計ミスにあります。

ここでは、なぜ起業家、とくに大学生が「収入の柱」を最初から意識すべきなのかを、現実的な視点で詳しく解説します。


そもそも「収入の柱」とは何か?

収入の柱とは、継続的にお金を生み出す仕組みのことです。
単発の売上や一時的な収入ではなく、ある程度「再現性」と「持続性」を持った収益源を指します。

例を挙げると、

  • 毎月報酬が発生する業務委託
  • 継続課金のサブスク
  • アフィリエイトや広告収入
  • 定期契約のクライアントワーク
  • コンテンツ販売やオンライン講座

これらはすべて「収入の柱」になり得ます。

重要なのは、柱は一本である必要はないということです。
むしろ、起業初期ほど「複数の細い柱」を持つことが重要になります。


起業初期は収入が極端に不安定になりやすい

大学生起業の現実として、最初から安定した売上が立つケースはほぼありません。

  • 案件が急に途切れる
  • 思ったより商品が売れない
  • 外注費やツール代が先に出ていく
  • 収入が月ごとに大きくブレる

こうした状況は、誰にでも起こります。

ここで問題なのは、収入が不安定になると、冷静な判断ができなくなることです。

「今月お金がない」
「早く稼がなきゃ」
「この話、怪しいけど受けるしかないかも」

こうした焦りは、
・ブラック案件を掴む
・安売りを繰り返す
・本来やるべき成長行動を止める

といった悪循環を生みます。

収入の柱が1本しかない状態は、精神的にも経営的にも非常にリスクが高いのです。


収入の柱を複数持つことで「判断力」が守られる

収入の柱を意識する最大のメリットは、お金の余裕ではなく、判断の余裕が生まれることです。

たとえば、

  • メイン事業が不調でも、別の収入がある
  • 単価の低い仕事を断れる
  • 自分の成長につながらない案件を選ばなくて済む
  • 長期目線でビジネスを育てられる

これは、起業家にとって非常に大きな違いです。

多くの失敗事例を見ると、「実力がないから失敗した」のではなく、
短期的な生活費に追われて、悪い選択を重ねた結果であることがほとんどです。

収入の柱は、起業家の思考を守る「安全装置」でもあります。


大学生起業だからこそ「一本足打法」は危険

大学生起業の場合、社会人起業以上にリスク管理が重要です。

理由はシンプルで、

  • 貯金が少ない
  • 信用がまだない
  • 人脈も限定的
  • 失敗したときの再起が精神的にきつい

この状態で「このビジネス一本に全てを賭ける」という判断は、ギャンブルに近くなります。

一方で、

  • アルバイト+副業
  • 業務委託+情報発信
  • スキル販売+アフィリエイト

といった形で収入の柱を分散させている大学生起業家は、失敗しても立て直しが早いです。

重要なのは「集中しないこと」ではなく、
生活と挑戦を分けて考えることです。


収入の柱は「成長ステージごと」に変わる

収入の柱は、一度作ったら終わりではありません。

起業家の成長ステージによって、最適な柱は変化します。

起業初期

  • 時間を切り売りする収入(バイト・業務委託)
  • スキルを活かした単発案件

成長期

  • 継続案件
  • ストック型収入(ブログ、SNS、コンテンツ)

安定期

  • 仕組み化されたビジネス
  • 人が動く事業

最初から「理想のビジネス」を作ろうとすると、ほぼ確実に挫折します。
まずは「今の自分に作れる収入の柱」を一つずつ積み上げることが重要です。


「収入の柱」を意識する人だけが生き残る

起業は、夢や情熱だけでは続きません。
現実として、お金がなければ続けられないのがビジネスです。

しかし、お金だけを追いすぎると、方向性を見失います。

だからこそ、

  • 生活を支える収入の柱
  • 挑戦のための収入の柱
  • 将来に繋がる収入の柱

このように役割の違う柱を持つ意識が、起業家には必要です。

大学生のうちは、失敗しても取り返せます。
しかし、「収入設計を学ばずに失敗する」ことだけは、避けるべきです。

収入の柱を意識することは、
起業を一時の挑戦で終わらせず、人生の武器にするための第一歩なのです。

Let's share this post !

Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

TOC