起業家がお金で自信を測らない理由

起業を目指す大学生にとって、「お金」は非常に分かりやすい指標です。
売上が出れば成功、出なければ失敗。
稼げていれば自信が持てて、稼げていなければ自信を失う。

多くの大学生が、無意識のうちに
「お金=自分の価値」
「売上=自信の大きさ」
という方程式で物事を判断しています。

しかし、実際に長く起業を続けている人ほど、
お金で自信を測りません。

それは精神論ではなく、
お金を基準に自信を測ることが、起業において非常に危険だと知っているからです。


お金は「結果」であって「実力」ではない

まず理解しておくべきなのは、
お金は実力そのものを表していないという事実です。

売上は、

  • 市場のタイミング
  • 環境
  • 流行
  • 偶然の出会い

こうした要素に大きく左右されます。

たまたま波に乗れれば、実力以上の売上が立つこともありますし、
逆に、実力があっても環境が悪ければ売上が出ないこともあります。

それにもかかわらず、
売上が出た=自分はすごい
売上が出ない=自分はダメ

と判断してしまうと、
自信が外部要因に振り回される状態になります。

起業家がそれをやらないのは、
自信の土台として不安定すぎるからです。


お金で自信を測ると「調子」と「落ち込み」が激しくなる

お金を自信の基準にすると、次のような状態になります。

  • 売上が伸びた月は万能感に包まれる
  • 売上が落ちた月は一気に不安になる
  • 他人の売上を見て焦る
  • 自分の価値が上下している感覚になる

これは、長期戦である起業において致命的です。

起業は常に右肩上がりではありません。
むしろ、上がったり下がったりを繰り返します。

そのたびに自信が揺らいでいては、
冷静な判断も、継続もできなくなります。

だから起業家は、
お金と感情を切り離す必要があるのです。


起業家が自信を置くのは「再現性」

起業家が自信を測る基準は、お金ではありません。
彼らが見ているのは、再現性です。

  • なぜ売れたのか説明できるか
  • 同じ行動をすればもう一度売れるか
  • 売れなかった理由が分かるか
  • 改善ポイントが言語化できるか

これらが明確であれば、
たとえ今月の売上がゼロでも、
「次は売れる」と分かっています。

逆に、理由が分からないまま売上だけ出ている状態は、
起業家にとっては不安要素です。

売上が出ていても自信を持たない。
売上が出ていなくても自信を失わない。

この感覚は、再現性を軸にしているからこそ成立します。


起業家は「行動量」で自分を評価する

多くの起業家が自信を測るもう一つの基準は、
行動量です。

  • 売るための行動をしたか
  • 改善のために手を動かしたか
  • 挑戦を先延ばしにしていないか

結果が出るかどうかはコントロールできません。
しかし、行動するかどうかはコントロールできます。

だから起業家は、

「今日は売上が出たか?」ではなく
「今日はやるべき行動をしたか?」

で自分を評価します。

これにより、自信は安定します。
結果が出ない時期でも、
「自分は前に進んでいる」と感じられるからです。


お金で自信を測ると「短期思考」になる

売上を自信の基準にすると、
どうしても短期的な結果を追いがちになります。

  • 今月いくら稼げたか
  • 早く結果が出るか
  • 即金性があるか

その結果、

  • 単価の低い仕事を選ぶ
  • 将来につながらない案件を受ける
  • 本来やるべき準備を後回しにする

という選択をしやすくなります。

一方、起業家は自信をお金で測らないからこそ、
長期的な成長を優先できます。

今は売上が少なくても、
将来につながる行動を選べるのです。


起業家は「比較」で自信を失わない

SNSを見れば、
「月収100万円」「大学生起業で成功」
といった情報が目に入ります。

お金で自信を測っていると、
他人の売上はそのまま自分の劣等感になります。

しかし起業家は、

  • 自分のステージは今どこか
  • 以前の自分より成長しているか
  • 学べているか

という過去の自分との比較で自信を測ります。

他人の売上は参考情報であって、
自己評価の材料ではありません。


起業家にとっての「本当の自信」とは

起業家にとっての自信とは、

  • 失敗しても立て直せる感覚
  • 売れなくなってもやり直せる感覚
  • ゼロに戻っても動ける感覚

です。

これは、売上額では測れません。

むしろ、一度も失敗せずに売上だけ上がった人ほど、
環境が変わった時に脆くなります。

起業家がお金で自信を測らないのは、
自信の源を「状況」に置かないためです。


大学生こそ、この感覚を身につけるべき理由

大学生のうちは、
売上も実績もまだ小さいかもしれません。

しかし、

  • 行動できる
  • 学べる
  • 失敗できる
  • 修正できる

という最強の条件が揃っています。

この時期に
「稼げていないから自分には価値がない」
と考えてしまうのは、あまりにももったいないことです。

起業家として重要なのは、
今いくら稼いでいるかではなく、いくらでも稼ぎ直せる力があるかです。


お金は「自信の証明」ではなく「結果の一部」

最後に、最も大切なことを伝えます。

お金は、

  • 努力の証明でも
  • 人生の評価でも
  • 自信の根拠でも

ありません。

それは、行動と選択の結果の一部にすぎません。

起業家がお金で自信を測らないのは、
自分の価値を、変動する数字に委ねないためです。

自信は、

  • 考え方
  • 行動
  • 積み重ね

から生まれます。

大学生が起業で本当に身につけるべきなのは、
「今いくら稼げるか」ではなく、
何度でも稼ぎ直せる自分を信じられる感覚なのです。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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