― 「儲かっているのに潰れる」本当の原因 ―
起業と聞くと、多くの大学生は
「売上を伸ばすこと」
「利益を出すこと」
が重要だと考えます。
もちろん、それらは大切です。
しかし、実際の経営現場で最も重視されているのは、
**キャッシュフロー(お金の流れ)**です。
どれだけ売上があっても、
どれだけ利益が出ていても、
手元にお金がなければ、事業は止まります。
ここでは、なぜ起業家がキャッシュフローを最優先するのかを、
大学生にも分かるよう、現実的かつ具体的に解説します。
1. 売上・利益があっても潰れる会社は珍しくない
起業初心者が最初に知っておくべき事実があります。
会社は「赤字」ではなく「資金不足」で倒産する。
・売上は立っている
・利益も帳簿上は出ている
・でも支払いができない
この状態を「黒字倒産」と呼びます。
原因はシンプルで、
「入金より支払いが先に来る」
というキャッシュフローのズレです。
大学生起業では規模が小さい分、
このズレ一つで一気に身動きが取れなくなります。
2. キャッシュフローは「生き残る力」そのもの
キャッシュフローとは、
「いつ、いくら入ってきて、いつ、いくら出ていくか」
というお金の動きです。
これが把握できていないと、
次のような状況に陥ります。
・急な支払いに対応できない
・チャンスが来ても動けない
・常に不安を抱えたまま行動する
逆に、キャッシュフローが安定していると、
・多少売上が落ちても耐えられる
・挑戦の余裕が生まれる
・判断が冷静になる
起業家にとってキャッシュフローは、
安心と選択肢を生み出す土台です。
3. 大学生起業は「お金が入るタイミング」が特に重要
大学生起業では、
・資金調達が難しい
・貯金が少ない
・信用もまだ少ない
という前提があります。
だからこそ、
「いくら儲かるか」より
「いつ入金されるか」
が極めて重要になります。
・請求してから入金まで何日かかるのか
・前払いか後払いか
・分割か一括か
これらを意識しないと、
利益が出ているのに、
生活費や次の行動資金が足りない、
という事態が簡単に起こります。
4. キャッシュフローが悪いと、判断が歪む
手元資金が少なくなると、
人は冷静な判断ができなくなります。
・安い仕事でも断れない
・条件の悪い案件を受けてしまう
・短期的な現金を優先してしまう
これが続くと、
事業の質そのものが下がる
という悪循環に陥ります。
キャッシュフローを優先することは、
お金のためだけではありません。
自分の意思決定を守るためでもあるのです。
5. キャッシュフローは「数字が苦手」でも管理できる
「お金の管理が苦手だから不安」
という大学生は多いですが、
キャッシュフロー管理は、
複雑な会計知識を必要としません。
最低限、見るべきポイントは3つだけです。
・今、手元にいくらあるか
・今後、いつ入ってくるか
・今後、いつ出ていくか
これを1か月〜3か月先まで
ざっくり把握するだけで、
お金の不安は大きく減ります。
起業初期は、
完璧な帳簿よりも、
現実のお金の流れを把握すること
が最優先です。
6. キャッシュフローを意識すると「稼ぎ方」が変わる
キャッシュフローを最優先にすると、
自然とビジネスの考え方が変わります。
・前払い・先払いを意識する
・サブスクや継続収入を考える
・固定費を極力持たない
これらはすべて、
お金の流れを安定させるための工夫です。
大学生起業においては、
派手な売上よりも、
小さくても継続的に入る収入
の方が、圧倒的に強い武器になります。
7. キャッシュフローは「メンタル」を守る
お金の不安は、
起業家のメンタルを最も削ります。
・常に焦る
・夜眠れない
・視野が狭くなる
キャッシュフローが見えているだけで、
これらは大きく改善されます。
「今月は大丈夫」
「来月も乗り切れる」
この感覚があるだけで、
起業は続けられるものになります。
8. 利益は後からついてくる
誤解してほしくないのは、
キャッシュフロー重視=利益軽視
ではないということです。
順番の問題です。
・まずは生き残る
・次に安定させる
・最後に利益を伸ばす
この順序を間違えると、
どんなに良いビジネスでも続きません。
起業家がキャッシュフローを最優先するのは、
利益を生む前提条件だからです。
まとめ:キャッシュフローは起業家の「生命線」
起業家が最優先で見るべきものは、
売上でも、利益でも、肩書きでもありません。
今、手元にいくらあり、
この先どう流れていくのか。
これを把握しているかどうかで、
起業は「苦しい挑戦」にも
「コントロールできる事業」にも変わります。
特に大学生の起業は、
小さく始め、長く続けることが最大の戦略です。
キャッシュフローを制する者が、
起業を制します。
