起業家が人の本質を見抜く方法

〜「いい人そう」に騙されないための現実的な視点〜

起業すると、これまでの人生では出会わなかったタイプの人と一気に関わることになります。
応援してくれる人、協力を申し出てくれる人、ビジネスパートナー候補、投資家、紹介者、そして残念ながら「都合よく利用しようとする人」もいます。

大学生起業家が最も苦しむ原因のひとつが、人を見る目が育つ前に大きな判断をしてしまうことです。
契約、共同事業、口約束、無償協力…。
人の本質を見抜けないまま進めると、時間・お金・信頼・メンタルを一気に失います。

しかし安心してください。
人の本質は「才能」ではなく、正しい視点を持てば誰でも見抜けるようになります


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本質は「言葉」ではなく「行動」に出る

まず大前提として知っておいてほしいのは、
人の本質は言葉にはほとんど出ないという事実です。

・やる気があります
・応援しています
・一緒に大きくしたい
・お金はいらないから協力する

こうした言葉は、誰でも簡単に言えます。
特に起業初期の大学生は、これらの言葉を真に受けがちです。

しかし、本質が出るのは常に行動です。

・約束した期限を守るか
・小さな依頼を雑に扱わないか
・自分に不利な状況でも態度が変わらないか
・見返りがなくても同じ姿勢か

言葉と行動が一致しているか。
ここを冷静に観察するだけで、9割のトラブルは回避できます。


「うまくいっていない時」の態度を見る

人の本質が最も分かりやすく表れるのは、
物事がうまくいっていない時です。

・売上が出ていない
・集客が伸びない
・想定通りに進まない

このタイミングで、その人のスタンスがはっきり見えます。

本質が誠実な人

・現実を一緒に整理しようとする
・感情ではなく事実で話す
・改善案を考える
・逃げずに向き合う

本質が危険な人

・他人や環境のせいにする
・急に距離を取る
・態度が冷たくなる
・責任を押し付ける

起業初期は失敗や停滞が当たり前です。
その局面でどう振る舞うかを見れば、その人が長く付き合える相手かどうかは一瞬で分かります。


お金が絡んだ瞬間の変化に注目する

人の本質は、お金が絡んだ瞬間にも強く現れます。

・報酬の話になると急に態度が変わる
・曖昧な条件のまま進めようとする
・「今はいいから」と言いながら後出しする
・自分の取り分だけは細かく主張する

お金の話を嫌がる人=誠実、ではありません。
むしろ、条件をきちんと整理しようとする人の方が信頼できます

大学生起業家は「お金の話をすると嫌われるのでは」と不安になりますが、
本当に信頼できる相手ほど、透明性を大切にします。


小さな約束を軽視する人は危険

人の本質は、大きな約束より小さな約束に出ます。

・返信期限
・ミーティング時間
・簡単な資料提出
・一言の報告

「忙しかったから」「忘れてた」は理由になりません。
小さな約束を守れない人が、大きな責任を果たすことはありません。

特に起業初期は、
「まあいいか」「まだ関係が浅いし」と流しがちですが、
その違和感は後で必ず現実になります。


利害がなくなった時に残る関係か

起業家として非常に重要なのが、
利害がなくなった瞬間の関係性を見ることです。

・自分が役に立たなくなったら連絡が減る
・紹介や仕事が終わると音信不通
・メリットがないと態度が変わる

これは人として悪いわけではありませんが、
ビジネスパートナー向きではないというだけです。

一方で、本質的に信頼できる人は、
・状況に関係なく接し方が変わらない
・短期的な損得で判断しない
・長期視点で物事を考える

こうした人とは、結果的に長く良い関係が続きます。


「違和感」は論理より正しいことが多い

大学生起業家が軽視しがちなのが、自分の違和感です。

・なぜかモヤっとする
・説明は正しいのに腑に落ちない
・言葉にできない不安

この感覚は、経験不足から来るものではなく、
無意識が拾っているサインであることが多いです。

もちろん感情だけで判断するのは危険ですが、
違和感を無視して突き進む方が、はるかに大きなリスクになります。


人を見る目は「失敗」でしか育たない

最後に、とても大切な現実を伝えます。

人を見る目は、失敗しないと育ちません。

どれだけ本を読んでも、どれだけ話を聞いても、
最終的には「自分で経験する」ことでしか身につかない力です。

だからこそ、
・最初から大きな契約をしない
・小さく関わって様子を見る
・依存しない構造を作る

これが、大学生起業家にとって最強のリスク管理になります。


起業家にとって最大の資産は「人を見る力」

起業を続けていくと分かります。
スキルやアイデア以上に、誰と組むか、誰と距離を取るかが、結果を左右します。

人の本質を見抜く力は、一朝一夕では身につきません。
しかし、今日紹介した視点を意識するだけで、
無駄なトラブルや消耗は確実に減らせます。

起業とは、ビジネスである前に「人間関係の連続」です。
だからこそ、早い段階でこの力を身につけた人ほど、
長く、健全に、成長し続けることができます。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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