起業家が孤独を感じる瞬間

起業を目指す大大学生の多くは、起業前にこう考えがちです。
「自分で決められる自由な働き方ができそう」
「好きなことを仕事にできたら楽しそう」
「縛られない分、気楽なのではないか」

しかし、実際に起業の一歩を踏み出した人の多くが、
ある時点で強く実感する感情があります。
それが、孤独です。

この孤独は、
弱いから感じるものでも、
向いていない証拠でもありません。
むしろ、起業家として前に進み始めた証拠
とも言える感情です。

この章では、起業家がどんな瞬間に孤独を感じるのか、
なぜその孤独が生まれるのか、
そして大大学生がその孤独とどう向き合えばいいのかを、
構造的に解説します。


1. 決断を「一人で下す」とき

起業家が最初に強い孤独を感じる瞬間は、
重要な決断を一人で下さなければならないときです。

  • この方向で進んでいいのか
  • 今やめるべきか、続けるべきか
  • お金を使うべきか、守るべきか

会社員や大学生であれば、
判断を誰かと共有できます。
最終決定を自分で背負うことは、ほとんどありません。

しかし起業家は、
すべての決断の責任を一人で引き受ける立場
になります。

誰かに相談はできても、
最終的に決めるのは自分。
この瞬間、
「誰も代わってくれない」
という現実に直面し、
孤独を強く感じます。


2. 周囲と話が噛み合わなくなったとき

起業家が孤独を感じる大きな理由の一つが、
周囲との会話のズレです。

  • 安定した道を選ばない理由
  • 収入が不安定でも続ける理由
  • 失敗を前向きに捉えている理由

これらは、
起業の文脈にいない人には、
なかなか理解されません。

悪意があるわけではなく、
価値観や前提が違うだけです。

しかし、
「説明しても伝わらない」
「共感されない」
という体験が重なると、
起業家は少しずつ孤独を感じ始めます。


3. 不安や弱音を吐けなくなったとき

起業を続けていると、
次第にこう思うようになります。
「自分が不安がっていたら、誰が信じるんだろう」

  • 家族を不安にさせたくない
  • 応援してくれる人を裏切りたくない
  • 自分で選んだ道だから弱音を吐きづらい

その結果、
不安や恐怖を
自分の中だけで処理する癖
がついていきます。

これが続くと、
周囲に人がいても、
心の中では一人、
という状態になります。

起業家の孤独は、
物理的な一人ではなく、
感情を共有できないことから生まれる孤独
であることが多いのです。


4. 成果が出ない期間が続いたとき

起業には、
必ず「成果が出ない期間」があります。

  • 頑張っているのに数字が動かない
  • 行動しているのに反応がない
  • 正解が見えない

この期間は、
誰にも評価されず、
誰にも見えない場所で、
一人で耐える時間です。

会社や学校であれば、
努力のプロセスが評価されることもあります。
しかし起業では、
結果が出なければ、存在していないのと同じ
という感覚に陥りやすくなります。

このとき、
起業家は強い孤独を感じます。


5. 周りが順調そうに見えるとき

SNSや周囲の話を通して、
他の起業家や同世代が
順調に見える瞬間があります。

  • 売上報告
  • 成功エピソード
  • 楽しそうな投稿

その一方で、
自分は苦戦している。
このギャップが、
孤独感を一気に強めます。

「自分だけが取り残されているのではないか」
「間違った道を選んだのではないか」

この感情は、
起業を真剣に続けている人ほど、
強く感じやすいものです。


6. 誰にも管理されなくなったとき

起業すると、
誰からも管理されなくなります。

  • 出社時間もない
  • 叱ってくれる人もいない
  • 進捗を確認されることもない

これは自由である一方、
自分の状態を把握してくれる存在がいない
ということでもあります。

調子が良くても悪くても、
誰も気づかない。
この状態が続くと、
「自分は一人で戦っている」
という感覚が強くなります。


7. 孤独を感じるのは「前に進んでいる証拠」

ここで、
大大学生にぜひ知っておいてほしいことがあります。

起業家が孤独を感じるのは、
失敗しているからではありません。
責任ある立場に進んでいるから
です。

  • 決断を引き受け
  • 結果と向き合い
  • 自分の人生を自分で選んでいる

この状態は、
誰でも簡単に立てる場所ではありません。

孤独を感じるということは、
「誰かの人生をなぞる側」から
「自分の人生を生きる側」
に移行しているサインでもあります。


8. 起業家は「孤独を消そう」としない

多くの起業家は、
孤独を完全になくそうとはしません。

なぜなら、
起業において孤独は
ある程度、避けられない感情
だと理解しているからです。

大切なのは、
孤独をなくすことではなく、
孤独に耐えられる状態を作ること
です。

  • 話せる場所を持つ
  • 同じ立場の人とつながる
  • 定期的に言語化する

こうした工夫によって、
孤独が「潰されるもの」から
「付き合えるもの」に変わります。


9. 大学生起業家が孤独に向き合うための視点

大大学生がゼロから起業する場合、
孤独を感じたときに思い出してほしい視点があります。

  • 今感じている孤独は、成長の副作用
  • 同じ孤独を感じている起業家は必ずいる
  • この感情は一生続くわけではない

孤独を感じたときに、
「向いていない」と結論づけるのは、
あまりにも早すぎます。

むしろ、
「ここまで来た証拠だ」
と捉えてください。


10. 孤独を越えた先で得られるもの

孤独な時期を乗り越えた起業家には、
共通して現れる変化があります。

  • 判断にブレがなくなる
  • 他人の意見に振り回されなくなる
  • 自分の軸が言語化できる

これは、
誰かに守られた環境では
なかなか得られない力です。

孤独は、
起業家の心を削るものではなく、
起業家としての軸を鍛える時間
でもあります。


まとめ:孤独は、起業家が必ず通る成長段階

起業家が孤独を感じる瞬間は、

  • 決断を一人で背負うとき
  • 周囲と価値観がズレたとき
  • 不安を吐けなくなったとき
  • 成果が出ない期間
  • 比較してしまったとき

こうした場面に訪れます。

大大学生がゼロから起業するなら、
孤独を感じたときに、
「間違っている」と思わないでください。

その孤独は、
あなたが
誰かの人生ではなく、自分の人生を選び始めた証
です。

逃げる必要も、
無理に消す必要もありません。
正しく理解し、
付き合い方を知ること。

それができたとき、
孤独はあなたを弱くするものではなく、
起業家としての強さを育てる時間
に変わります。

Let's share this post !

Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

TOC