――能力ではなく「前提」が違うだけ
起業を考え始めた20代大学生が、
必ず一度はぶつかる疑問があります。
- 自分は起業に向いているのか
- 会社員思考のままだと失敗するのか
- 起業家と会社員は何がそんなに違うのか
この問いに対して、
多くの情報はこう答えます。
「起業家は行動力がある」
「会社員は安定志向だ」
しかし、これは表面的な話です。
本質的な違いは、能力や性格ではありません。
結論から言います。
起業家思考と会社員思考の違いは「世界の見え方=前提条件」が違うことです。
この章では、
20代大学生が起業を考えるうえで必ず理解しておくべき
起業家思考と会社員思考の決定的な違いを、
構造的に、かつ現実的に解説します。
1. 最大の違いは「正解がある世界」か「正解を作る世界」か
まず、両者の世界観は根本的に違います。
会社員思考の前提
- 正解が存在する
- ルールは上から与えられる
- 評価基準が明確
- 失敗は減点対象
学校教育から就職まで、
私たちはずっとこの世界で生きてきました。
起業家思考の前提
- 正解は存在しない
- ルールは自分で作る
- 評価は市場が決める
- 失敗は学習データ
起業で苦しくなる人の多くは、
「正解を探す思考のまま、正解のない世界に入ってしまう」
ことが原因です。
2. 「行動」の意味がまったく違う
起業家と会社員では、
行動に対する意味づけが違います。
会社員思考
- 行動=指示を正しく実行すること
- 行動=ミスをしないこと
- 行動=評価を下げないこと
ここでは、
慎重さ・正確さが求められます。
起業家思考
- 行動=仮説を試すこと
- 行動=失敗して情報を得ること
- 行動=ズレを修正すること
起業家にとって行動は、
**成功のためではなく「検証のため」**です。
この違いを理解していないと、
「動いているのに怖い」「正解が分からない」
という状態に陥ります。
3. 失敗に対する考え方が180度違う
20代大学生が最も戸惑うのが、
失敗に対する扱い方です。
会社員思考
- 失敗=評価が下がる
- 失敗=責任問題
- 失敗=避けるべきもの
起業家思考
- 失敗=前提
- 失敗=必要なプロセス
- 失敗=次の精度を上げる材料
起業の世界では、
失敗しない人=何も試していない人
とすら見なされます。
この価値観のズレを理解しないまま起業すると、
小さな失敗で心が折れやすくなります。
4. 「安定」の定義がまったく違う
会社員と起業家では、
安定の意味が根本的に違います。
会社員思考の安定
- 毎月決まった給料
- 組織に守られている感覚
- 先がある程度見える
起業家思考の安定
- 複数の選択肢を持っている
- 収入源を自分で作れる
- 環境が変わっても対応できる
起業家は、
「今の収入が安定しているか」より
**「変化に耐えられるか」**を重視します。
5. 「時間」の使い方の基準が違う
同じ1時間でも、
両者はまったく違う基準で使います。
会社員思考
- 時間=労働
- 時間=拘束
- 時間=管理されるもの
起業家思考
- 時間=投資
- 時間=設計するもの
- 時間=未来を変える資源
起業家は、
「今いくらもらえるか」ではなく、
**「この時間が将来何を生むか」**で判断します。
6. 「評価」のされ方が違う
会社員思考
- 上司・組織が評価する
- プロセスも重視される
- 空気を読むことがプラスになる
起業家思考
- 市場(お客さん)が評価する
- 結果がすべて
- 空気は関係ない
起業では、
どれだけ頑張ったかは評価されません。
「価値を感じてもらえたか」
これだけが判断基準です。
7. 起業家思考は「才能」ではなく「切り替え」
ここで重要なことを伝えます。
起業家思考は、
生まれつきの才能ではありません。
- 元会社員の起業家
- 元公務員の起業家
- 元大学生の起業家
彼らは皆、
思考の前提を切り替えただけです。
逆に言えば、
切り替えないまま起業すると、
強いストレスを感じ続けます。
8. 20代大学生が勘違いしやすいポイント
多くの20代大学生は、
こう思いがちです。
「起業家思考=会社員を否定すること」
これは大きな誤解です。
会社員思考は、
- 組織で成果を出す
- チームで動く
- 安定した役割を果たす
うえで、非常に優秀な思考です。
問題は、
どちらの世界にいるのに、どちらの思考を使っているか
というズレです。
9. 起業家思考を身につける第一歩
起業家思考を身につけるために、
20代大学生がまず意識すべきことは、これです。
- 正解を探さない
- 小さく試す
- ダメなら直す
- 自分で決める
完璧にできる必要はありません。
「正解がない前提で動く練習」
これを重ねることが、
起業家思考への第一歩です。
まとめ|違いを理解すれば、起業は怖くなくなる
起業家思考と会社員思考の決定的な違いは、
- 正解を探すか、正解を作るか
- 失敗を避けるか、失敗を使うか
- 安定を今に置くか、未来に置くか
- 評価を上司に委ねるか、市場に委ねるか
という思考の前提の違いです。
20代大学生が起業でつまずく多くの原因は、
能力不足ではありません。
思考のOSが切り替わっていないだけです。
この違いを理解したうえで起業に向き合えば、
不安や迷いの正体がはっきりし、
必要以上に自分を責めることもなくなります。
起業とは、
「特別な人になること」ではありません。
世界の見方を一段階切り替えることです。
それができた時、
あなたはすでに起業家としての第一歩を踏み出しています。
