「開業届って出した方がいいの?」
「出すと税金が増えるんじゃない?」
「まだ稼げてないのに出して意味ある?」
大学生が起業を考え始めると、ほぼ必ずこの疑問にぶつかります。
開業届という言葉は知っていても、**「お金がどう変わるのか」**が分からないまま、不安だけが先に立ってしまうケースがとても多いです。
結論から言います。
開業届を出したからといって、すぐに税金が増えるわけではありません。
むしろ、正しく理解すると、**お金の面では“有利になる可能性の方が高い”**のが現実です。
ここでは、開業届を出すことで「お金がどう変わるのか」を、できるだけ現実的に解説します。
そもそも開業届とは何か?
開業届とは、
「これから個人事業として活動します」
と税務署に届け出る書類です。
会社を作るわけでも、
お金を払うわけでもありません。
・提出は無料
・罰金も基本なし
・オンライン提出も可能
つまり、開業届=お金がかかる手続きではないのです。
それにもかかわらず、多くの大学生が怖がるのは、
「税金が増えそう」
「責任が重くなりそう」
というイメージが先行しているからです。
開業届を出しても「税金が自動で増える」ことはない
一番多い誤解がこれです。
開業届を出した=税金が発生する
ではありません。
税金は、
利益(売上 − 経費)が出たとき
に初めて発生します。
たとえば、
・売上がほぼゼロ
・経費の方が多い
この状態では、税金はほとんどかかりません。
つまり、
稼げていない段階で開業届を出しても、お金が減ることは基本的にない
ということです。
お金の面で一番変わるのは「経費の扱い」
開業届を出すことで、お金の扱いで最も大きく変わるのが、
経費として認められる範囲です。
開業前や未提出の状態では、
・これは経費でいいのか?
・グレーだからやめておこう
と、判断が曖昧になりがちです。
一方、開業届を出すと、
・事業に必要な支出
・売上を作るための投資
これらを経費として堂々と管理できるようになります。
たとえば、
・パソコン代
・通信費
・サーバー代
・勉強用の書籍
・打ち合わせの交通費
などが、事業との関連性があれば経費になります。
これは、
「利益を小さく見せる=税金を抑える」
ことにつながります。
青色申告が使えるようになるメリット
開業届とセットでよく出てくるのが、
青色申告という言葉です。
詳しい制度説明はここでは省きますが、
お金の面でのポイントだけ押さえましょう。
青色申告を選ぶと、
・税金の計算上、有利になる
・赤字を翌年以降に繰り越せる
・きちんと管理していると評価されやすい
といったメリットがあります。
特に大学生起業では、
最初の1〜2年は赤字や低利益になりやすい
ため、赤字を繰り越せる仕組みは大きな意味を持ちます。
「扶養」や「大学生の立場」はどうなる?
ここもよく聞かれるポイントです。
結論としては、
開業届を出しただけでは、扶養から外れません。
影響が出るのは、
「いくら稼いだか」
です。
一定以上の所得を超えると、
・扶養から外れる
・保険や税金に影響が出る
という話になりますが、
これは開業届の有無ではなく、収入の問題です。
つまり、
稼げていない段階で開業届を出す=生活が急に変わる
わけではありません。
開業届を出すことで「お金の意識」が変わる
意外と大きいのが、ここです。
開業届を出すと、
・事業としてお金を見る
・プライベートと分けて考える
・数字に向き合う意識が強くなる
という変化が起こります。
これは、
「税金のため」ではなく、
起業家として成長するために重要な変化です。
逆に、いつまでも開業届を出さずにいると、
・なんとなくやっている感覚
・お金の管理が雑になる
・本気度が上がらない
という状態に陥りやすくなります。
すぐに開業届を出さなくてもいいケース
もちろん、全員が今すぐ出す必要はありません。
たとえば、
・まだ完全な準備段階
・テスト的に少し触っているだけ
・数週間で判断したい
このような場合は、
様子を見るのも一つの選択です。
ただし、
・継続して収入が発生しそう
・事業として続ける意思がある
この段階に入ったら、
出さない理由はほぼなくなります。
開業届を出す=後戻りできない、ではない
もう一つの大きな誤解が、
「開業届を出したら引き返せない」
というものです。
現実には、
・うまくいかなければやめる
・別の道を選ぶ
これも普通に可能です。
開業届は、
人生を縛る契約ではありません。
「一度やってみる」
その意思表示に近いものです。
まとめ|開業届で変わるのは「税金」より「お金との向き合い方」
開業届を出すことでお金がどう変わるかをまとめると、
- 出しただけで税金は増えない
- 経費を正しく扱えるようになる
- 青色申告で将来的に有利になる
- 扶養は「収入」で決まる
- お金への意識が事業モードに変わる
開業届は、
「税金を取られるためのもの」
ではありません。
お金を整理し、守り、育てるためのスタートライン
です。
起業を「なんとなく」で終わらせたくないなら、
開業届は怖がるものではなく、
味方につけるものだと理解してください。
