「電子定款」と「紙定款」の違い

法人化を検討し始めると、必ず出てくる言葉があります。それが、「電子定款」と「紙定款」です。

・電子定款って何?
・紙とどう違うの?
・結局どっちを選べばいいの?

調べれば調べるほど、専門用語が多くて分からなくなり、「なんか難しそうだから後回しにしよう」となりがちです。ですが結論から言います。電子定款と紙定款の違いは、大学生の起業にとって“かなり重要”です。しかも、知っていれば簡単にお金と手間を減らせるポイントでもあります。

ここでは、
・定款とはそもそも何か
・電子定款と紙定款の違い
・大学生ならどちらを選ぶべきか
を、実務目線で書いていきますので是非お読みください。


そもそも「定款」とは何か?

まず前提から整理します。定款とは、会社のルールブックのようなものです。

・会社の目的
・会社名
・所在地
・誰がどうやって運営するか

これらを文章としてまとめたものが定款です。法人を作るときは、必ず定款を作成し、公的に認めてもらう必要があります。つまり、電子か紙かの違いは、「定款をどうやって作り、どうやって認証するか」の違いです。


紙定款とは?

紙定款とは、その名の通り紙に印刷した定款です。

流れとしては、

  1. 定款を作成
  2. 紙に印刷
  3. 公証役場で認証
  4. 印紙を貼る

という手順になります。ここで重要なのが、印紙代が必要になるという点です。紙定款の場合、収入印紙4万円分
を貼らなければなりません。これは、「会社の規模」や「売上」とは関係なく、一律でかかります。


電子定款とは?

電子定款は、定款をPDFなどの電子データで作成し、電子署名をつけて認証する方法です。

紙に印刷せず、

・データで作成
・データで提出
・データで認証

という形になります。電子定款の最大の特徴は、収入印紙が不要という点です。つまり、それだけで4万円分のコストがかからないということになります。


電子定款と紙定款の決定的な違い

ここで、違いを整理します。

紙定款

  • 印紙代4万円が必要
  • 手続きは分かりやすい
  • 昔ながらの方法

電子定款

  • 印紙代4万円が不要
  • 電子署名が必要
  • 初期準備がやや面倒

大学生の起業において、この4万円の差は決して小さくありません。


なぜ電子定款は「面倒」と言われるのか

電子定款が敬遠されがちな理由は、手続きのイメージが分かりにくいからです。電子定款を自分でやろうとすると、

・電子証明書の取得
・専用ソフトの準備
・パソコン環境の設定

などが必要になります。ここだけ見ると、「紙の方が楽そう」と感じるのは自然です。ただし、ここで一つ重要な視点があります。


「自分でやる必要はあるのか?」

結論から言います。ほとんどの場合、自分で電子定款を作る必要はありません。

多くの人は、

・司法書士
・行政書士
・会社設立サービス

を使って法人化します。この場合、電子定款の手続きは、すべて代行してもらえます。つまり、

・自分は何も難しいことをしない
・それでも印紙代4万円はかからない

という状態を作ることができます。


大学生が起業なら電子定款がおすすめな理由

ここからが本題です。大学生の起業において、電子定款をおすすめする理由は次の通りです。

理由① 無駄な初期費用を確実に減らせる

大学生の起業では、1万円、2万円の差も大きいですよね。

4万円は、

・サーバー代
・広告費
・ツール代

など、事業を前に進めるお金として使えます。「知らなかった」だけで消える4万円は、かなりもったいないです。


理由② 手間はほぼ増えない

代行サービスを使えば、

・電子定款だから大変
・紙定款だから楽

という差は、ほぼありません。やることは同じで、結果としてコストだけが変わります。


理由③ 将来の拡大にも影響しない

電子定款か紙定款かは、将来の事業拡大に一切影響しません。

信用
税金
契約

どれも、定款の形式では決まりません。つまり、電子定款を選んで不利になることはないということです。


紙定款を選んでもいいケースはある?

もちろん、例外もあります。

例えば、

・自分で全部手続きをやりたい
・電子証明書をすでに持っている
・手間よりも分かりやすさを優先したい

こうした場合は、紙定款を選ぶのも一つの選択です。ただしその場合、4万円を払って「楽さ」を買っている
という自覚は持っておくべきです。


よくある誤解|電子定款は「特別な人向け」?

これは完全な誤解です。今や電子定款は、

・大学生
・個人事業主
・小規模起業

でも、当たり前に使われています。むしろ、紙定款の方が「昔ながら」という位置づけです。


判断に迷ったら、この基準で決める

迷ったら、次の質問を自分にしてください。

・4万円を払う理由はあるか?
・その4万円を事業に使えたら助かるか?
・手続きを誰かに任せる予定はあるか?

このうち、2つ以上YESなら、電子定款一択です。


まとめ|大学生の起業では「電子定款」が基本

電子定款と紙定款の違いとおすすめをまとめます。

  • 定款は会社のルールブック
  • 紙定款は印紙代4万円がかかる
  • 電子定款は印紙代が不要
  • 手間の差は、代行を使えばほぼない
  • 将来の拡大や信用には影響しない
  • 大学の生起業では電子定款が合理的

起業において、最初にやるべきことは「見栄え」ではありません。

・無駄なコストを減らす
・身軽に動ける状態を作る
・事業に集中する

電子定款は、そのための「賢い選択」の一つです。知らないまま紙定款を選ぶのと、理解した上で電子定款を選ぶのとでは、スタート地点がまったく違います。知識をつけながら進んでいきましょう。お時間のある方は下記も是非お読みください。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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