黒字なのに会社が潰れる理由

TOC

黒字なのに会社が潰れる理由

― 起業で本当に怖いのは「赤字」ではなく「お金が尽きること」 ―

「黒字なら会社は安泰」
「利益が出ていれば大丈夫」

起業前の学生の多くは、こう考えている。
でも、これはかなり危険な思い込み

実際の起業の世界では、
黒字なのに潰れる会社は珍しくない。
むしろ、起業初期ほどこの罠にハマりやすい。

なぜこんなことが起きるのか。
その答えはとてもシンプルで、
“利益”と“お金”は別物だから

そもそも「黒字」とは何か?

黒字とは、
一定期間で見て、売上より経費が少なかった状態

つまり、

売上 − 経費 = 利益(プラス)
→ 黒字

これはあくまで
結果の計算であって、
「今、手元にお金があるかどうか」
を示しているわけではない。

ここを勘違いしたまま起業すると、
「数字上は成功、現実では破綻」
という状態に陥る。

黒字倒産の正体は「現金不足」

黒字なのに潰れる最大の理由は、
現金が足りなくなること

これを一般的に
「黒字倒産」と呼ぶ。

黒字倒産は、
・アイデアが悪い
・努力が足りない
から起きるのではない。

お金の流れを把握していない
ただそれだけで起きる。

理由① 売上はあるが、入金が遅い

学生起業で一番多いパターン。

・仕事はした
・請求書も出した
・売上も立った

でも、
お金が入るのは1〜2ヶ月後

一方で、

・外注費
・広告費
・ツール代

こうした支払いは、
今すぐ発生する

結果どうなるか。

✔ 損益計算書:黒字
✔ 口座残高:減っていく

「儲かっているはずなのに、お金がない」
この状態が完成する。

理由② 売掛金を“現金”だと勘違いする

売掛金とは、
まだ回収できていない売上

会計上は資産だけど、
現金ではない。

学生起業では、

「来月入る予定だから大丈夫」
「もう売上は立っているし」

こう考えて使ってしまいがち。

でも、
予定は予定でしかない

・入金が遅れる
・支払い条件が変わる
・相手の都合で伸びる

この瞬間、
一気に資金繰りが詰む。

理由③ 利益が出る前提でお金を使ってしまう

これも非常に多い。

・来月はもっと売れるはず
・今月は黒字だから
・この投資で一気に伸びる

こうして、

✔ 広告を増やす
✔ 外注を増やす
✔ 固定費を上げる

結果、
予想通りにいかなかった瞬間にアウト

起業では、
「予定利益」は存在しない。

使っていいのは、今ある現金だけ
これを守れないと、黒字でも潰れる。

理由④ 固定費を早く増やしすぎる

黒字が出始めた学生起業家が
調子に乗ってやりがちな行動。

・オフィスを借りる
・高額なサブスクを契約する
・人を雇う

これらはすべて、
毎月必ず出ていくお金(固定費)

固定費が増えると、

・売上が下がったときに耐えられない
・身動きが取れなくなる

一時的な黒字で固定費を上げるのは、
かなり危険。

理由⑤ クレジットカードを「自分のお金」と錯覚する

学生起業では、
クレジットカードを多用することが多い。

カード自体は悪くない。
問題は考え方。

カードで払うと、

・今は現金が減らない
・余裕がある気がする

でも実際は、
未来の現金を先に使っているだけ

支払い月が来た瞬間、
一気に資金が減る。

黒字なのに潰れる会社の多くは、
この“後払いの罠”にハマっている。

理由⑥ 税金・社会保険を考えていない

学生起業で見落とされがちなのがこれ。

利益が出る

税金が発生する

でも、
税金は後からまとめて請求される

「黒字で安心していたら、
翌年に税金で資金が吹き飛んだ」
これは本当によくある話。

利益が出た時点で、
税金分は“使えないお金”
として分けておかないと危険。

理由⑦ 損益計算書しか見ていない

黒字倒産する人の共通点。

✔ 売上
✔ 利益

この2つしか見ていない。

でも、本当に見るべきなのは、

・現金はいくらあるか
・今後いくら出ていくか

つまり、
キャッシュ(現金)

損益計算書は「成績表」。
でも、
生き残れるかどうかは
キャッシュの量で決まる

学生起業で特に注意すべきポイント

学生起業は、

・資金が少ない
・余裕がない
・一度の判断ミスが致命傷

だからこそ、

✔ 黒字でも安心しない
✔ 予定で動かない
✔ 現金ベースで考える

この意識が超重要。

黒字でも潰れないための考え方

最低限、これだけ覚えておいてほしい。

・利益は「結果」
・現金は「命」
・予定は信用しない
・固定費は慎重に

この4つを守るだけで、
黒字倒産の確率は激減する。

まとめ:黒字はゴールではない

「黒字=成功」
これは学生起業において、
一番危険な勘違い。

本当のゴールは、

✔ 現金が残っている
✔ 続けられる
✔ 次の一手を打てる

この状態。

黒字なのに潰れる会社は、
能力が足りないわけじゃない。
お金の見方を知らなかっただけ

学生のうちに、

・利益と現金の違い
・お金の流れ
・使っていいお金とダメなお金

これを理解できれば、
起業は
「怖い賭け」ではなく
コントロールできる挑戦になる。

この知識は、
一度身につければ
一生あなたを守ってくれる。

Let's share this post !

Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

TOC