起業の前にやること「資金計画と調達編」– 借金に怯えずに始めるための、起業前の資金計画とお金の考え方 –

はじめに:「お金がないから起業できない」は本当か?

「起業したいけど、お金がないんです…」
学生からよく聞くこの悩み。でも実は、それだけが理由で諦める必要はありません。

起業に必要なのは、大きな資金ではなく、小さく始める工夫と、足りない部分を補う戦略です。

この章では、起業前に必要な資金の考え方から、実際にどのようにお金を準備・調達すればよいのかまで、初心者にもわかりやすく解説します。

起業に必要なお金って、どれくらい?

学生起業といっても、業種やスケールによって必要な金額はまちまちです。
以下に、代表的な支出項目を紹介します。

▶︎ 初期費用の例(ミニマム起業モデル)

項目内容目安金額
サービス開発WebサイトやLP制作、デザイン¥0〜50,000(ノーコード活用)
ツール・アプリ使用料Canva Pro、STUDIO、Notionなど月¥0〜3,000
名刺・ロゴデザインツール or 外注¥0〜10,000
広告・PR費SNS広告、インフルエンサー依頼など¥0〜20,000
備品パソコンや周辺機器、マイク等所有していれば¥0

⇒ 合計:¥10,000〜¥50,000程度でもスタート可能!

自分の「資金タイプ」を知ろう(自己資金 or 外部資金)

タイプ説明メリットデメリット
自己資金貯金、バイト代などコントロール自由、信用不要限界がある
外部資金他者から調達(親・支援・クラファン)金額を増やせる、注目される説明責任が伴う、手続きが必要

最初の段階では、自己資金 + 小規模な外部資金のハイブリッドが最も現実的です。

学生でもできる「自己資金の準備術」

資金ゼロスタートを防ぐために、まずは自力で3〜5万円程度の準備を目指しましょう。

▶︎ 具体的な自己資金づくりアイデア

  • アルバイトの一部を「起業準備用口座」に分ける
     例:月3万円稼いだら1万円は貯金
  • フリマアプリで不用品を売る(メルカリ/ラクマ)
     → パソコン周辺機器、古着、教科書なども意外と売れる
  • スキル販売プラットフォームを活用
     例:ココナラ・クラウドワークスでライティングやデザインを受託
  • 実験的にSNS運用やブログを始めて広告収入へ
     → 初期は収益ゼロでも将来の母体に

外部資金を活用する方法(補助金・クラファン・親支援など)

学生起業家が活用しやすい外部資金の例を以下にまとめます。

① 家族・親族の支援(身近なエンジェル投資家)

  • 小規模な起業であれば、まずは「親」に相談するのも立派な方法です。
  • ただし、借りる場合は口約束でなく「借用書」を作ることが重要

借用書の最低限の書き方

  • 金額・返済期限・利息の有無
  • 返済方法(月払い or 一括など)
  • 書面サイン(PDFでも可)

② 大学の起業支援制度・インキュベーション

多くの大学では、学生の起業支援として以下のような制度が整っています

  • 起業コンテスト(賞金・メンタリング付き)
  • 大学発ベンチャー支援
  • 学内インキュベーションオフィスの貸与
  • 起業に関する専門科目の履修

→ 例:「東大 FoundX」「慶應SFC IVS」「近畿大学 Startup Dojo」など

Point: 所属大学の起業関連部署(キャリアセンター等)を一度調べてみましょう。

③ 地方自治体・中小企業庁の補助金・助成金

学生であっても、個人事業主として届け出をすれば、以下のような補助金を活用できるケースがあります。

補助金名特徴
小規模事業者持続化補助金最大50万円まで支給(販促費などに)
若者チャレンジ型起業支援事業各自治体ごとに実施(例:東京都、京都府)
創業補助金(地域限定)地元で創業する若者に資金提供・税優遇

注意点:

  • 法人登記や個人事業開業届が必要な場合あり
  • 申請書類や面談が求められることが多い

④ クラウドファンディング(共感を集めて資金を得る)

学生ならではの“想い”や“背景”は共感を呼びやすく、クラファンとは非常に相性が良いです。

プラットフォーム特徴
CAMPFIRE国内最大手、審査緩めで始めやすい
READYFOR社会貢献型に強い、医療・教育系におすすめ
BOOSTER(PARCO系)学生・若手アーティスト向けに特化

重要ポイント:

  • 金額は欲張らず、3万〜10万円程度で十分
  • リターン(支援者へのお礼)は簡単なものでOK(限定記事、アプリ先行体験など)
  • プレゼン資料や動画で“自分の人間性”を出すことが成功のカギ

お金が足りないときの「工夫」と「代替案」

お金が潤沢でないからこそ、知恵と工夫で乗り越える方法があります。

▶︎ MVP(Minimum Viable Product)の考え方

いきなり完成品を作るのではなく、**最小限の構成で“まず試す”**のが成功のカギ。

例:

  • アプリ → Notionページで代替(LINE連携で再現)
  • サイト → Canva + STUDIOで無料LPを作る
  • チラシ → PDFでLINE配信 or SNS投稿に変える

→ このように「お金をかけずに検証する」姿勢が、失敗を減らし、信頼を得ます。

目標金額を設定して「資金計画」を立てよう

最後に、「いくら必要で、どう調達するか?」を計画表にしてみましょう。

項目金額(円)調達方法
LP制作費10,000自己資金(バイト代)
LINE API3,000/月クラファン3万円で6ヶ月分確保
広告費15,000CAMPFIREにて調達
ロゴ/名刺5,000家族支援
ツール代(Canva等)3,000自己資金

合計必要資金:36,000円 → 自己資金+クラファンで達成可能

まとめ:お金がない=行動できない、ではない

  • 学生起業は「小さく始める」「支援をうまく使う」「共感を得る」で資金の壁を超えられる
  • 自己資金+補助金+クラファンなど、複数の手段を組み合わせるのが理想
  • まずは「現実的にいくら必要か?」を明確にしよう
  • お金がないなら“創意工夫”と“スモールスタート”が武器になる

次のステップでは、資金が整った状態で**「法務・届け出」「テスト実行フェーズ」**へ進むことができます。
起業は“お金のあるなし”ではなく、“工夫できるかどうか”で決まります。あなたの熱意を、資金計画でカタチにしていきましょう!

次は「法務・届け出編」です。