起業家が自分を疑う力を持つべき理由

――「自信がある人」より「自分を疑える人」が生き残る世界

起業と聞くと、多くの人はこうしたイメージを持ちます。

・強い信念がある
・ブレない
・自分を信じ切っている
・迷わない

そして、こう思ってしまう。
「自分はすぐ迷う」
「自分の判断に自信がない」
「すぐ“これでいいのか?”と考えてしまう」

その結果、
「自分は起業家向きじゃないのかもしれない」
と結論づけてしまう大学生は少なくありません。

しかし、ここで一つ、起業の現実をはっきり伝えます。

起業で長く生き残る人ほど、自分を疑う力を持っています。
むしろ、自分を疑えない人のほうが、早く消えていきます。

この章では、なぜ起業家にとって
「自分を疑う力」が必要不可欠なのかを、構造的に解説します。


① 起業は「自分の判断が間違っている前提」で進む世界

会社員の仕事では、
・マニュアル
・前例
・上司の判断
が存在します。

しかし起業では、
すべての判断が自分発です。

・この商品でいいのか
・この価格は妥当か
・このやり方は合っているか

しかも、
その判断が正しいかどうかは、
やってみるまで分かりません。

この世界で
「自分の判断は正しいはずだ」と思い込むことは、
最も危険な姿勢です。

自分を疑う力とは、
「自分の判断はズレているかもしれない」
と、常に仮説として扱える力です。

これは不安ではなく、
起業家に必要な基本姿勢です。


② 自分を疑えない人は「修正ができない」

起業で失敗する人の多くは、
能力が低いわけでも、努力していないわけでもありません。

失敗の本質は、
修正ができなかったことです。

・売れないのに続ける
・反応が悪いのに変えない
・うまくいかない理由を外に求める

これはすべて、
「自分の判断は正しいはずだ」という前提から生まれます。

一方、自分を疑える人は、
・売れない=何かズレている
・反応が悪い=改善が必要
と、自然に考えます。

起業は、
正しさを証明するゲームではなく、
ズレを修正し続けるゲーム
です。


③ 自分を疑える人は「市場を信じられる」

起業で信じるべきものは、
自分のセンスや情熱ではありません。

市場の反応です。

・買われたか
・反応があったか
・続いたか

自分を疑えない人は、
市場の反応より
「自分が正しいかどうか」を優先します。

自分を疑える人は違います。

・自分がどう思うかより
・市場がどう反応したか

この順番で判断します。

これは、
感情より事実を優先できる力であり、
起業家にとって最重要スキルの一つです。


④ 自分を疑える人は「学習スピードが速い」

起業では、
・学歴
・頭の良さ
・才能
よりも、

どれだけ早く学び、修正できるか
が結果を分けます。

自分を疑えない人は、
・アドバイスを聞かない
・自分のやり方に固執する
・失敗を認められない

結果、学びが止まります。

自分を疑える人は、
・自分はまだ分かっていない
・もっと良いやり方がある
という前提で動きます。

だから、
・聞く
・試す
・直す
が早い。

起業では、
学習速度=生存率です。


⑤ 自分を疑える人は「慢心しない」

起業で本当に怖いのは、
失敗よりも慢心です。

・少しうまくいった
・売上が出た
・評価された

このタイミングで、
「自分は分かった」と思った瞬間から、
成長は止まります。

自分を疑える人は、
うまくいっているときほど、こう考えます。

・今回はたまたまかもしれない
・次は通用しないかもしれない
・もっと良くできるはず

これはネガティブではありません。
長く勝つための姿勢です。


⑥ 自分を疑える人は「顧客を下に見ない」

起業で信頼を失う最大の原因の一つが、
顧客を見下す態度です。

・分からない客が悪い
・安い客はいらない
・理解できない人は対象外

これは、
自分を過信している人ほどやりがちです。

自分を疑える人は、
・伝え方が悪かったかもしれない
・価値が届いていない
・自分の説明が足りない

と考えます。

この姿勢が、
信頼・リピート・口コミにつながります。


⑦ 「自分を疑う」と「自信がない」は違う

ここは非常に重要なポイントです。

・自分を疑う
・自分を否定する

この2つは、まったく別物です。

自分を疑うとは、
「今の判断は仮だ」と考えること。

自分を否定するとは、
「自分には価値がない」と思うこと。

起業家に必要なのは、前者です。

行動は止めない。
ただし、判断は常に仮。

このバランスが、
起業家として最も強い状態です。


⑧ 自分を疑う力は「20代でこそ身につく」

20代は、
・経験が少ない
・実績がない
・正解が分からない

だからこそ、
自然と自分を疑えます。

これは、
年齢を重ねると逆に難しくなります。

・実績がある
・プライドができる
・引き返しにくくなる

だからこそ、
20代で「自分を疑いながら動く経験」を積むことは、
一生使える財産
になります。


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大大学生に伝えたい結論

起業家に必要なのは、
揺るがない自信ではありません。

・自分は間違える
・だから検証する
・だから修正する

この姿勢です。

自分を疑える人は、
・変われる
・学べる
・長く続けられる


最後に

もしあなたが今、
「自分の判断が信用できない」と感じているなら、
それは欠点ではありません。

それは、
起業家として最も重要な感覚を、すでに持っている証拠です。

自分を疑う。
だから考える。
だから改善する。
だから成長する。

このホームページが、
あなたが「無理に自信を持とうとする」のではなく、
現実的に強くなる起業家像を選ぶきっかけになれば、
それ以上に嬉しいことはありません。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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