――うまくいき始めた瞬間が、一番危ない
起業を始めた大大学生が、
最初に恐れるのは「失敗」かもしれません。
しかし、実は起業で本当に危険なのは、
何も起きていない時ではありません。
- 初めて売上が立った
- フォロワーが増え始めた
- 周囲から褒められた
- 「いけるかも」と思えた
この「うまくいき始めた瞬間」こそが、最も失敗しやすいタイミングです。
なぜなら、起業初期に起きる失敗の多くは、
能力不足ではなく、
調子に乗ってしまったことによる判断ミスだからです。
この章では、
なぜ起業初期に調子に乗りやすいのか、
なぜそれが失敗につながるのか、
そしてどうすれば防げるのかを解説します。
1. 起業初期は「成功と錯覚しやすい環境」である
起業初期は、
とても不安定で、情報量が少ない状態です。
そのため、
- 初めての売上
- 初めての反応
- 初めての評価
が、必要以上に大きく見えます。
たとえば、
- 1件売れただけで「需要がある」と思う
- 数人に褒められて「評価された」と感じる
- 少し伸びて「再現性がある」と勘違いする
これらはすべて、
データが少なすぎる段階での早合点です。
しかし、人は不安が強いほど、
小さな成功に強く安心し、
それを「確信」に変えてしまいます。
2. 調子に乗ると「検証」をやめてしまう
起業初期に調子に乗ると、
最初に失われるものがあります。
それが、検証する姿勢です。
- なぜ売れたのか
- たまたまではないか
- 別の条件でも通用するか
こうした問いを立てる前に、
「やっぱり自分はセンスがある」
「このやり方で間違いない」
と結論づけてしまいます。
すると、
- 試行錯誤が減る
- 修正が遅れる
- 問題に気づけなくなる
という状態に入ります。
起業は本来、
常に疑い続ける作業です。
調子に乗った瞬間、
この姿勢が崩れます。
3. 調子に乗ると「固定費」を上げやすくなる
起業初期の失敗で非常に多いのが、
早すぎる固定費の増加です。
- オフィスを借りる
- 高額ツールを契約する
- 外注を一気に増やす
- 見栄のための支出をする
これらはすべて、
「これから伸びるはず」
「もう大丈夫だろう」
という楽観が背景にあります。
しかし起業初期の売上は、
- 一時的
- 再現性が低い
- 環境依存
であることがほとんどです。
固定費を上げると、
売上が少し落ちただけで
一気に首が締まります。
4. 調子に乗ると「他人の意見を聞かなくなる」
起業初期に少し結果が出ると、
こうした変化が起きやすくなります。
- 批判が気に入らなくなる
- アドバイスを軽視する
- 都合のいい意見だけを拾う
本人に自覚はなくても、
思考が内向きになっていきます。
起業初期の成功は、
運やタイミングの影響も大きいにもかかわらず、
「自分の判断が正しかった」
と確信してしまうのです。
この状態が続くと、
市場とのズレに気づけなくなります。
5. 調子に乗ると「一発勝負」に出たくなる
調子に乗り始めた起業家は、
無意識にこう考えます。
「ここで一気にいけば、跳ねるかもしれない」
その結果、
- 無理な拡大
- 大きな投資
- 検証不足の新展開
に踏み切ってしまいます。
しかし起業初期は、
まだ「勝ちパターン」が固まっていない段階です。
このタイミングで一発勝負に出ると、
失敗した時のダメージが非常に大きくなります。
6. なぜ大大学生ほど調子に乗りやすいのか
大大学生が起業初期に調子に乗りやすいのには、
明確な理由があります。
- 比較対象が少ない
- 成功体験がまだ少ない
- 周囲に起業家が少ない
そのため、
小さな成果でも「特別な成功」に感じやすいのです。
これは能力の問題ではありません。
経験値の問題です。
だからこそ、
自覚的にブレーキをかける必要があります。
7. 起業初期に本当に必要なのは「調子に乗らない力」
起業初期に重要なのは、
勢いや自信ではありません。
「これはまだ仮説にすぎない」と考え続ける力です。
うまくいっている時こそ、
- 本当に再現できるか
- 条件が変わっても通用するか
- たまたまではないか
を疑う必要があります。
これは自分を否定することではなく、
未来を守るための思考です。
8. 調子に乗らないための具体的な対策
起業初期に調子に乗らないために、
次の視点を持ってください。
- 成果は「一時的な結果」として扱う
- 固定費は意図的に上げない
- 数字が安定するまで拡大しない
- 他人の意見を定期的に聞く
特に重要なのは、
「まだ途中だ」と自分に言い聞かせることです。
まとめ|起業初期の成功は「テスト通過」であって「合格」ではない
起業初期に調子に乗ると失敗する理由は、
- 成功を過大評価してしまう
- 検証をやめてしまう
- 固定費を上げてしまう
- 判断が荒くなる
からです。
起業初期の成果は、
ゴールではなく、テストを一つ通過しただけです。
本当に強い起業家は、
うまくいっている時ほど慎重です。
大大学生にとって大切なのは、
早く成功者になることではありません。
**「静かに、長く続けられる起業家になること」**です。
調子に乗らず、
一歩ずつ検証を重ねられた人が、
最後に勝ちます。
