― 成功する起業家は「前向きな人」ではなく「感情を道具として扱う人」 ―
起業家と聞くと、どんな人物像を思い浮かべるでしょうか。
・いつも前向き
・失敗を恐れない
・ポジティブ思考
・根拠のない自信を持っている
こうしたイメージを持つ人は少なくありません。
しかし、実際に起業を続けている人ほど、口を揃えてこう言います。
「自分はかなり悲観的だ」
「むしろ楽観だけでは続かない」
起業で生き残る人は、
楽観的な人でも、悲観的な人でもありません。
悲観と楽観を“状況によって切り替えられる人”
です。
1. 起業で失敗するのは「悲観的な人」でも「楽観的な人」でもない
まず誤解を解きます。
・悲観的だから失敗する
・楽観的だから成功する
これは、どちらも間違いです。
実際には、
・ずっと悲観して動けない人
・ずっと楽観して準備しない人
このどちらも、起業では失敗しやすくなります。
起業は、
感情の種類ではなく、感情の使い方
が結果を左右する世界です。
2. 起業家は「場面ごとに思考モードを切り替えている」
起業家は、
常に同じメンタルで動いているわけではありません。
実は、次のように
場面ごとに思考モードを切り替えています。
・決断前 → 悲観
・行動中 → 楽観
・検証後 → 冷静
・失敗後 → 現実的
この切り替えができるからこそ、
無謀にもならず、
立ち止まりすぎることもありません。
3. 起業家が「悲観」を使うタイミング
まず、悲観の役割から説明します。
起業家にとっての悲観とは、
落ち込むことでも、
自分を否定することでもありません。
「最悪を想定し、致命傷を避けるための思考」
です。
起業家が悲観を使う主な場面
・お金を使う前
・時間を大きく投下する前
・借金や契約を考える時
・一発勝負になりそうな時
この時、起業家はこう考えます。
・最悪どうなるか
・それは取り返しがつくか
・自分は耐えられるか
この悲観があるから、
・小さく始める
・固定費を持たない
・逃げ道を残す
という判断ができます。
悲観は、起業家のブレーキ
なのです。
4. 悲観がない起業は「無謀」になる
楽観だけで動くと、
起業は一気に危険になります。
・なんとかなる
・勢いでいける
・失敗しても大丈夫
この思考だけで進むと、
・資金ショート
・精神的消耗
・一発退場
に繋がりやすくなります。
起業家が悲観を手放さないのは、
怖がりだからではありません。
生き残るため
です。
5. 起業家が「楽観」を使うタイミング
次に、楽観の役割を説明します。
起業家にとっての楽観とは、
根拠のないポジティブ思考ではありません。
「不確実でも、前に進むための思考」
です。
起業家が楽観を使う主な場面
・行動を起こす時
・初めて商品を出す時
・反応が少ない時
・完璧でなくても出す時
この時、起業家はこう考えます。
・やってみないと分からない
・失敗しても修正できる
・今は60点でいい
楽観があるからこそ、
・未完成でも出せる
・断られても動ける
・続けられる
楽観は、起業家のアクセル
なのです。
6. 楽観がない起業は「停滞」する
悲観だけで動こうとすると、
起業は一切進みません。
・もっと準備してから
・失敗したらどうしよう
・まだ早い
これは慎重ではなく、
停止です。
起業家が楽観を使うのは、
自分を騙すためではありません。
不確実な世界で、動くため
です。
7. 起業家は「同時に悲観と楽観を持たない」
ここが最も重要なポイントです。
起業で苦しくなる人の多くは、
同時に悲観と楽観を持とうとします。
・最悪の結果を想像しながら
・うまくいくはずだと自分に言い聞かせる
この状態は、
心が引き裂かれます。
起業家は、
悲観と楽観を
同時に使いません。
使う場面を、
きっちり分けています。
8. 起業家の思考パターンを分解するとこうなる
起業家の典型的な思考フローは、こうです。
- 決断前:徹底的に悲観する
→ 最悪を洗い出す
→ 致命傷を避ける設計をする - 決断後:楽観的に行動する
→ 振り返らない
→ やり切る - 結果後:感情を切り離して検証する
→ 良し悪しを冷静に見る
この切り替えができるから、
メンタルが壊れません。
9. 大学生起業家が特に誤解しやすいポイント
20代大学生が陥りやすいのは、
この勘違いです。
「楽観的にならないと起業できない」
実際には逆で、
悲観できる人ほど、起業に向いています。
・リスクを見られる
・最悪を想定できる
・逃げ道を作れる
ただし、
行動の場面では、
楽観に切り替えなければいけません。
この切り替えこそが、
起業家としての技術です。
10. 悲観と楽観を切り替えるための具体ルール
起業家は、
感情で切り替えていません。
ルールで切り替えています。
例えば、
・お金の判断 → 悲観
・行動の判断 → 楽観
・契約前 → 悲観
・実行中 → 楽観
こうしたルールを持つことで、
感情に振り回されなくなります。
まとめ:起業家は「感情に強い」のではなく「感情を分業している」
起業家が強く見える理由は、
常にポジティブだからではありません。
・悲観する場面を選んでいる
・楽観する場面を決めている
・感情を判断材料に使っていない
ただ、それだけです。
起業は、
楽観だけでは無謀になり、
悲観だけでは止まります。
だからこそ、
起業家はこう考えます。
「考える時は悲観、動く時は楽観」
20代大学生の起業に必要なのは、
自分を無理にポジティブに変えることではありません。
感情を
・守るために使う
・進むために使う
この使い分けを覚えることです。
悲観は敵ではありません。
楽観も万能ではありません。
どちらも、正しく使えば最強の武器
それが、起業家の思考法です。
