売上と利益の違いを理解しないと危険な理由

――「売れているのに苦しい」は、起業失敗の典型パターン

起業を考え始めた20代大学生の多くは、
まずこう思います。

  • とにかく売上を作らなければ
  • 売れれば何とかなる
  • 月◯万円売れたら成功

この感覚自体は、間違いではありません。
起業において、売上は確かに重要です。

しかし、ここで非常に危険な落とし穴があります。

売上と利益の違いを理解しないまま起業すると、
「うまくいっているのに詰む」という最悪の状況に陥ります。

この章では、
なぜ売上だけを見ている起業家が危険なのか、
なぜ利益を理解できないと長く生き残れないのかを、
20代大学生向けに噛み砕いて解説します。


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1. 売上と利益は、まったく別の数字

まず、超基本から確認します。

  • 売上:お客さんから入ってきたお金の合計
  • 利益:売上から、すべてのコストを引いた後に残るお金

この違いを頭では理解していても、
起業初期では感覚的に軽視されがちです。

なぜなら、

  • 売上は分かりやすい
  • 数字が大きく見える
  • 他人に説明しやすい

からです。

一方、利益は、

  • 地味
  • 計算が面倒
  • 現実を突きつけてくる

ため、無意識に見ないようにしてしまいます。


2. 「売上がある=儲かっている」という錯覚が一番危ない

起業初期に最も多い勘違いが、これです。

「売上が立っているから、うまくいっている」

しかし現実には、

  • 売上はある
  • 忙しい
  • でもお金が残らない

という状態が頻発します。

これは、

  • 広告費
  • 外注費
  • ツール代
  • 手数料
  • 固定費

を引いた後の
「本当の残り」を見ていないからです。

この状態を放置すると、

「頑張るほど貧しくなる起業」
という地獄に入ります。


3. 利益を見ない起業家ほど、判断を間違える

売上しか見ていないと、
判断基準がすべてズレます。

たとえば、

  • 売上が伸びているから広告を増やす
  • 売れているから外注を拡大する
  • 忙しいから人を増やす

一見、正しい判断に見えます。

しかし利益を見ていないと、

  • 実は広告を出すほど赤字
  • 外注すると利益が消える
  • 固定費が増えて身動きが取れない

という事態が起きます。

利益を見ない判断は、ハンドルのない車を運転している状態です。


4. 売上が伸びている時ほど、実は危険

皮肉なことに、
起業で一番危険なのは
売上が伸び始めた時です。

なぜなら、

  • 自信がつく
  • 楽観的になる
  • 「いける」という感覚が生まれる

からです。

その結果、

  • コスト管理が甘くなる
  • 固定費を上げてしまう
  • 将来の売上を前提に動く

この段階で利益構造を理解していないと、
売上が増えるほど首が締まります。

倒産する起業家の多くは、売上がゼロの人ではありません。
売上がある人です。


5. 20代大学生が特に陥りやすい「売上信仰」

20代大学生が売上に引っ張られやすい理由は明確です。

  • 社会経験が少ない
  • 会計に触れたことがない
  • 周囲が売上で評価する

SNSや周囲の会話でも、

  • 月商◯万円
  • 年商◯億

という言葉が飛び交います。

しかし、
月商100万円でも赤字の人は普通にいます。

逆に、

  • 月商30万円
  • でも毎月10万円以上残る

という起業の方が、
圧倒的に健全です。


6. 利益を理解すると、起業は一気に安定する

利益を理解し始めると、
起業の見え方が変わります。

  • どの仕事が儲かっているか
  • どこにムダがあるか
  • 何をやめるべきか

が明確になります。

その結果、

  • やることが減る
  • 判断が早くなる
  • 精神的に楽になる

起業が苦しいのは、
忙しいからではありません。

お金の流れが見えていないから不安になるのです。


7. 利益を見ている起業家は「やらない判断」ができる

利益を理解している起業家は、
次の判断ができます。

  • 売上は立つけど、利益が出ない仕事は断る
  • 数字的に合わない施策はやらない
  • 見栄や勢いの投資をしない

一方、売上しか見ていないと、

  • 忙しさ=正義
  • 売れた=成功

という短絡的な判断になります。

やらない判断ができるかどうかが、長期生存を分けます。


8. 起業初期こそ「利益率」を意識すべき理由

起業初期に大切なのは、
売上の大きさではありません。

利益率です。

  • 少ない売上でも利益が残る
  • コストが低い
  • 修正が効く

この構造を作っておくと、

  • 売上が不安定でも生き残れる
  • 無理な拡大をしなくて済む
  • 生活を壊さずに続けられる

20代大学生の起業は、
まず「稼ぐ」より
「残す」設計が最優先です。


9. 20代大学生が最低限押さえるべき考え方

難しい会計知識は不要です。
最低限、次の視点を持ってください。

  • 売上と利益は別物
  • 忙しさと儲けは無関係
  • 固定費は最後まで低く
  • 利益が残らないなら、やり方を疑う

これだけで、
起業の失敗確率は大きく下がります。


まとめ|起業で本当に見るべき数字は「残るお金」

売上と利益の違いを理解しないと危険な理由は、

  • 売れている錯覚に陥る
  • 判断基準がズレる
  • 頑張るほど苦しくなる
  • 拡大のタイミングを誤る

からです。

起業において大切なのは、

  • どれだけ売れたか
    ではなく
  • どれだけ残ったか

です。

20代大学生にとって起業は、
派手に見せるための挑戦ではありません。

長く続けるための現実的な選択です。

売上に酔わず、
利益で判断できるようになった時、
あなたは一段上の起業家になっています。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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