起業で単価を上げる考え方

― 単価は「欲張り」の結果ではなく、「起業が続く構造」の結果 ―

起業を始めたばかりの大学生が、
ほぼ確実にぶつかる悩みがあります。

・とにかく安くしないと売れない気がする
・実績がないのに高い金額は言えない
・単価を上げたら誰も来なくなるのでは
・まずは数をこなすべきではないか

この悩みは、とても真っ当です。
むしろ、こう考えない人の方が少数派です。

しかし結論から言います。

起業で長く続く人ほど、
早い段階から「単価を上げる思考」を持っています。

それは、お金儲けがしたいからではありません。
単価を上げないと、起業は必ずどこかで詰まる
からです。


TOC

1. 起業で一番先に壊れるのは「時間」と「気力」

起業初期、多くの大学生はこう考えます。

・まずは安くして実績を作ろう
・数をこなして経験を積もう
・単価は後から上げればいい

一見、正しそうに見えます。
しかし、この戦略には致命的な欠点があります。

それは、
時間と気力が先に尽きる
という点です。

・低単価だから数をこなさないと生活できない
・数をこなすから改善や思考の時間がなくなる
・消耗して、判断が雑になる

結果として、
単価を上げる前に、起業そのものをやめてしまう。

起業で単価を上げる思考は、
自分を守るための思考
でもあります。


2. 「単価を上げる=高く売る」ではない

ここで、最初に誤解を解きます。

単価を上げるとは、
「同じものを、強引に高く売る」
ことではありません。

起業における単価とは、
一人の顧客から得られる価値の総量
です。

・価格
・継続期間
・追加価値
・信頼関係

これらすべてを含めた概念です。

つまり、
単価を上げるとは
「価値の設計を変えること」
なのです。


3. 起業初期に単価が低くなりがちな理由

大学生起業家が、
無意識に単価を下げてしまう理由は明確です。

・自信がない
・比較対象が分からない
・断られるのが怖い
・お金の話に慣れていない

特に多いのが、
「自分なんかが、この金額をもらっていいのか」
という感覚です。

しかし起業において、
単価は
自分のレベルではなく、相手の得る価値
で決まります。

ここを履き違えると、
永遠に単価は上がりません。


4. 単価を上げられない人ほど「労働」を売っている

単価が上がらない起業の多くは、
次の特徴を持っています。

・時間単価で考えている
・作業量=対価になっている
・代替が効く

これは、
「労働」を売っている状態です。

一方、単価が上がる起業は、

・結果
・変化
・安心
・解決

こうした
“成果”や“状態”を売っています。

起業で単価を上げる第一歩は、
「何を売っているのか」を
労働から切り離すことです。


5. 単価を上げるために最初に考えるべき問い

起業で単価を上げたいなら、
値段を考える前に、
次の問いに答える必要があります。

・このサービスで、相手は何から解放されるのか
・何ができるようになるのか
・どんな不安が消えるのか

ここが曖昧なままでは、
単価は上げられません。

なぜなら、
価格は
「解決される問題の大きさ」
で決まるからです。


6. 起業初期こそ「安さ」ではなく「違い」を作る

多くの大学生が、
「最初は安さで勝負するしかない」
と思い込んでいます。

しかし実際には、
安さは
最も真似されやすく、
最も消耗する戦略です。

起業初期に作るべきなのは、

・誰向けか
・何に特化しているか
・何をやらないか

という違いです。

違いが明確になると、
価格は比較されなくなります。


7. 単価を上げる人は「断る前提」で設計している

単価が上がる起業家は、
全員に売ろうとはしません。

・合わない人は断る
・安さ重視の人は対象外
・価値を理解しない人は来ない

この前提で設計しています。

結果として、

・数は少ない
・でも深く刺さる
・継続しやすい

という構造が生まれます。

単価を上げるとは、
客数を減らす覚悟を持つこと
でもあります。


8. 単価を上げると「売る力」より「設計力」が鍛えられる

低単価モデルでは、
売る力が求められます。

・数を打つ
・断られても営業
・疲弊しながら継続

一方、単価を上げると、
必要になるのは、

・価値の言語化
・仕組みの設計
・信頼の積み上げ

つまり、
起業家としての本質的な力
が鍛えられます。

これが、
長期的に見て最も大きな差になります。


9. 大学生起業家が単価を上げるときに一番怖い瞬間

単価を上げる時、
誰もが怖くなる瞬間があります。

それは、
「断られるかもしれない」
という恐怖です。

しかし、ここで大事な視点があります。

断られる=失敗ではありません。

むしろ、

・合わない人が減る
・消耗する仕事が減る
・本当に必要な人だけが残る

という、健全な変化です。

起業で単価を上げるとは、
「全員に好かれる」ことを
やめる決断でもあります。


10. 単価を上げると、起業は急に安定する

単価を上げると、
次の変化が起きます。

・売上が安定する
・焦りが減る
・改善に時間を使える
・顧客との関係が深くなる

結果として、
起業が
精神的にも、構造的にも安定
します。

これは、
多くの起業家が
「もっと早くやればよかった」
と口を揃えて言うポイントです。


まとめ:単価を上げることは「強気」ではなく「誠実」

起業で単価を上げる考え方は、
欲張りでも、背伸びでもありません。

・自分が消耗しないため
・顧客に向き合う余裕を持つため
・起業を続けるため

の、極めて現実的な判断です。

20代大学生の起業は、
数をこなして潰れる勝負ではありません。

価値を理解し合える人と、
長く続く関係を作る挑戦

です。

単価は、
その関係性を形にした数字にすぎません。

安さで選ばれる起業は、
必ず苦しくなります。

価値で選ばれる起業だけが、
時間を味方につけられます。

単価を上げることを恐れなくていい。
それは、
起業を“続ける覚悟”を持った証拠です。

Let's share this post !

Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

TOC