起業初期に高額講座を避けた方がいい理由

起業を考え始めた大学生が、最初にぶつかる壁のひとつが「何から学べばいいのか分からない」という不安です。
SNSや広告を見ると、「この講座を受ければ稼げる」「最短で成功できる」「未経験でも月◯万円」といった魅力的な言葉が並びます。

その結果、起業初期にもかかわらず、数十万円から百万円近い高額講座に手を出してしまう大学生は少なくありません。

しかし結論から言うと、起業初期に高額講座を受けることは、成功確率を上げるどころか下げてしまうケースが非常に多いのが現実です。
ここでは、その理由を構造的に解説します。


起業初期に必要なのは「知識」ではなく「現実」

起業初期の大学生に最も不足しているものは、専門知識ではありません。
それは実体験です。

  • お金を払ってもらった経験
  • 売れなかった経験
  • 断られた経験
  • 失敗して修正した経験

これらは、どれだけ高額な講座を受けても、自分で動かなければ身につきません

高額講座の多くは、成功者の「結果論」を体系化したものです。
しかし、起業初期に必要なのは「正解を知ること」ではなく、自分の現状を知ることです。

順番を間違えると、知識は武器ではなく、足かせになります。


高額講座は「前提条件」が合わないことが多い

多くの高額講座は、すでに以下の前提を満たしている人向けに作られています。

  • ある程度の資金余力がある
  • 社会人経験がある
  • 既に小さく稼いだ経験がある
  • 自分の商品やサービスがある

一方、大学生の多くは、

  • 資金が少ない
  • ビジネス経験がない
  • 売るものがまだ定まっていない

という状態です。

この段階で高額講座を受けても、
内容が活かせない・抽象的に感じる・再現できない
という事態に陥りやすくなります。

講座の内容が悪いのではなく、受けるタイミングが合っていないのです。


高額講座は「行動しなくても満足できてしまう」

人はお金を払うと、「前に進んだ気」になります。

  • 申し込んだ瞬間に安心する
  • 学んだだけで成長した気になる
  • 行動していないのに満足する

これは心理学的にもよく知られた現象です。

特に起業初期は、「行動する怖さ」から逃げたい気持ちが強くなります。
高額講座は、その不安を一時的に和らげてくれます。

しかし、売上は行動からしか生まれません

講座を受けて満足し、行動が止まってしまうなら、それは自己投資ではなく自己満足になってしまいます。


資金が減ることで「判断の質」が落ちる

起業初期の最大の敵は、スキル不足ではなく資金不足による焦りです。

高額講座に大きなお金を使うと、

  • 生活費が減る
  • 心理的な余裕がなくなる
  • 早く回収しなければという焦りが生まれる

その結果、

  • 単価の低い仕事を引き受ける
  • 無理な営業をする
  • 怪しい話にも乗りやすくなる

という悪循環に陥ります。

ビジネスでは、冷静な判断ができる状態そのものが資産です。
起業初期に資金を削る行為は、その資産を失うことと同義です。


「高額=正解」という思い込みが成長を止める

高額講座を受けると、無意識にこんな思考が生まれます。

「こんなにお金を払ったんだから、これが正解のはず」

この思い込みは非常に危険です。

起業では、

  • 正解は一つではない
  • 環境や人によって最適解は変わる
  • 失敗と修正を繰り返す必要がある

にもかかわらず、高額講座を「絶対解」として信じてしまうと、柔軟な修正ができなくなります。

稼げる人ほど、「これは違う」と感じたらすぐに軌道修正します。
一方、稼げない人ほど「元を取るため」に間違った道を進み続けてしまいます。


起業初期に本当に必要な投資とは?

起業初期に必要なのは、高額な講座ではありません。

本当に価値がある投資は、

  • 小さく試せる環境
  • 実践しながら学べる機会
  • 失敗しても致命傷にならない経験

具体的には、

  • 低単価の教材
  • 無料〜安価なコミュニティ
  • 実務を通じた学習
  • 小さな案件の受注経験

こうした投資は、必ず行動とセットになります。


高額講座を「受けてはいけない」わけではない

誤解してほしくないのは、
高額講座そのものが悪いわけではないということです。

  • すでに稼げている
  • 課題が明確
  • 回収計画が立っている

こうした状態で受ける高額講座は、大きな飛躍を生むこともあります。

問題なのは、起業初期で受けてしまうことです。

順番を間違えなければ、高額講座は「加速装置」になります。
しかし順番を間違えると、「足かせ」になります。


起業は「遠回りに見える近道」を選べるかどうか

起業初期は、不安になります。
だからこそ、「最短」「楽」「確実」という言葉に惹かれます。

しかし、起業において最も確実な道は、

  • 小さく始める
  • 自分で動く
  • 失敗から学ぶ

この地味なプロセスです。

高額講座を避けることは、チャンスを捨てることではありません。
自分の力で稼ぐ力を育てるための選択です。

大学生だからこそ、時間という最大の資産があります。
その時間を「知識」ではなく「経験」に使えるかどうかが、将来を大きく分けるのです。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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