起業家が「楽に稼ぐ話」を疑う理由

起業を考え始めた20代大学生の前には、必ずと言っていいほど
**「楽に稼げる話」**が現れます。

  • スマホだけで月◯十万円
  • ほぼ自動で収益化
  • 知識・経験不要
  • 今すぐ人生が変わる

SNS、広告、DM、知人の紹介など、入口はさまざまです。
起業を志すほど、こうした話に触れる機会は増えていきます。

しかし、実際に長く生き残っている起業家ほど、
「楽に稼ぐ」という言葉に対して強い違和感を持っています。

それは、性格が疑り深いからでも、夢を否定しているからでもありません。
ビジネスの構造を知っているからこそ、自然と疑うようになるのです。


起業家は「お金が生まれる構造」を知っている

起業家が「楽に稼ぐ話」を疑う最大の理由は、
お金がどうやって生まれるかを理解しているからです。

お金は、必ず次のどれかの対価として支払われます。

  • 時間を短縮した
  • 不安やストレスを減らした
  • 面倒な作業を引き受けた
  • 大きなリスクを代わりに負った

つまり、誰かが「楽」をしている場合、
その裏で必ず誰かが負担をしているということです。

にもかかわらず、

  • 誰も努力していない
  • 誰もリスクを負っていない
  • 誰も価値を提供していない

のにお金が生まれる話は、構造的に成立しません。

起業家は、この前提を感覚的に理解しています。


「楽に稼げる」は、ほぼ必ず「誰かが楽に儲かる」

多くの「楽に稼げる話」は、
話を聞く側が楽に稼げる構造ではありません。

実際には、

  • 教える側が儲かる
  • 紹介した人が儲かる
  • 先に入った人が儲かる

という仕組みになっています。

つまり、

楽に稼げるのは「参加者」ではなく「提供者」

この構造を、起業家は一瞬で見抜きます。

もし本当に「誰でも楽に稼げる」方法があるなら、
それをわざわざ他人に教える理由はありません。


起業家は「再現性」を最優先で見る

起業家が話を聞くときに真っ先に考えるのは、

  • 誰がやっても再現できるのか
  • 環境が変わっても成立するのか
  • 市場が飽和したらどうなるのか

です。

「楽に稼げる話」の多くは、

  • 特定のタイミング
  • 特定の環境
  • 特定の人

だから成立しているケースがほとんどです。

それを切り取って
「誰でも」「今すぐ」「簡単に」
と説明すること自体が、不誠実なのです。

起業家は、「今うまくいっている事例」ではなく、
**「今後も通用する構造かどうか」**を見ています。


「楽」を強調する話ほど、重要な前提を隠している

起業家が警戒するもう一つの理由は、
大事な前提条件が省かれていることです。

たとえば、

  • 実は長時間の下積みがある
  • すでに大きな資金を投じている
  • 失敗を何度も経験している
  • 特殊な人脈やスキルがある

こうした前提を省いたまま、
結果だけを「楽に稼げた」と表現しているケースは非常に多いです。

起業家は、
「その前に何をしていたか」
「うまくいかなかった期間はどれくらいか」
を必ず確認します。

それが語られない話は、信用しません。


起業家は「楽」を否定しているわけではない

誤解されがちですが、
起業家は「楽に稼ぐこと」を否定しているわけではありません。

むしろ、

  • 仕組み化する
  • 効率化する
  • 自動化する

ことで、後から楽になることは強く意識しています。

ただしそれは、

最初に大変なことをやった人だけが得られる「結果」

だと理解しています。

何も積み上げていない段階での
「楽に稼げる」は、順番が逆なのです。


「楽に稼ぐ話」は行動を止める麻薬になる

20代大学生にとって最も危険なのは、
「楽に稼げる話」が行動しない言い訳になることです。

  • もっと良い話があるかもしれない
  • 今やっていることは効率が悪い気がする
  • これより楽な方法があるのでは

こうして、目の前の地道な行動をやめてしまいます。

起業家が「楽に稼ぐ話」を避けるのは、
自分の行動力を鈍らせると知っているからです。


起業家は「楽かどうか」では判断しない

起業家が判断基準にしているのは、

  • 市場があるか
  • 誰かの役に立っているか
  • 継続できるか
  • 自分でコントロールできるか

です。

楽かどうかは、後の話です。

最初から「楽」を基準に選ぶと、

  • スキルが残らない
  • 経験が積み上がらない
  • 代替されやすい

というビジネスに行き着きやすくなります。


本当に価値のあるビジネスは、最初は楽ではない

起業家が知っている現実があります。

  • 本当に価値があることほど、最初は面倒
  • 誰もやりたがらないことに需要がある
  • 簡単なことは、すぐ競争になる

だから起業家は、

「楽そうか?」ではなく
「ちゃんと価値があるか?」

で判断します。


20代大学生が身につけるべき視点

20代大学生に伝えたいのは、
「楽に稼ぐ話を信じるな」という精神論ではありません。

身につけるべきなのは、構造を見る目です。

  • 誰が儲かる仕組みか
  • 誰がリスクを負っているか
  • なぜ今、自分に話が来ているのか

この視点を持てば、
怪しい話は自然と見抜けるようになります。


「楽に稼ぐ」より「長く稼げる」を選ぶ

起業家が「楽に稼ぐ話」を疑うのは、
長く稼げなくなることを知っているからです。

短期的に楽に稼げても、

  • スキルが残らない
  • 信用が積み上がらない
  • 環境が変わると終わる

それでは、起業する意味がありません。

20代大学生にとって本当に大切なのは、

  • 今は大変でも
  • 遠回りに見えても
  • 確実に力が残る道

を選べるかどうかです。

起業家が「楽に稼ぐ話」を疑うのは、
夢を壊したいからではありません。

自分の人生を、誰かの都合に委ねないためなのです。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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