起業で「稼ぐ」と「残す」を分けて考える理由

起業を目指す20代大学生の多くが、まず目標にするのは
**「いくら稼げるか」**です。

  • 月10万円稼ぎたい
  • 月30万円あれば生活できる
  • 月100万円稼げたら成功

この考え方自体は、決して間違いではありません。
むしろ、目標としてとても健全です。

しかし、実際の起業現場では
「稼いでいるのにお金が残らない人」
が驚くほど多く存在します。

売上は伸びている。
仕事も忙しい。
それなのに、なぜかお金が増えない。

この原因のほとんどは、
「稼ぐ」と「残す」を同じものとして考えていることにあります。


「稼げている=豊か」ではない

大学生のうちは、
「稼げている=お金が増えている」
と考えがちです。

しかし、起業においてはこの認識は危険です。

なぜなら、起業の世界では

  • 売上がある
  • お金が動いている
  • 忙しく働いている

これらと、
手元にお金が残ることは、まったく別だからです。

極端な例を出せば、

  • 月100万円売上があっても
  • 経費や外注費が90万円かかっていれば

残るのは10万円です。

起業家は、この「残った金額」で生活し、次の挑戦をします。
つまり、**人生を支えるのは「稼ぎ」ではなく「残り」**なのです。


起業家が最初から「残す」を意識する理由

起業家が早い段階から
「いくら稼いだか」より
「いくら残ったか」
を重視するのには、明確な理由があります。

それは、
残らないビジネスは続かない
と知っているからです。

どれだけ売上があっても、

  • 手元資金が増えない
  • 常に次の入金を待っている
  • 少し売上が落ちると一気に苦しくなる

この状態では、長期的に事業を続けることができません。

起業家にとって「残す」は、
安心して挑戦し続けるための生命線です。


大学生起業ほど「稼ぐ」に意識が偏りやすい

20代大学生の起業では、特に
「稼ぐ」に意識が偏りやすくなります。

理由はシンプルです。

  • 周りに経営者が少ない
  • 売上=成功という情報が多い
  • SNSでは売上しか見えない

結果として、

「月◯万円達成!」
「売上◯倍!」

といった数字だけを追いかけてしまいます。

しかし、起業家が本当に見ているのは、

  • その売上を作るために何円使ったか
  • どれだけ自分に負荷がかかっているか
  • それは続けられる形か

という部分です。


「稼ぐ」は攻め、「残す」は守り

起業でお金を考えるとき、
「稼ぐ」と「残す」は役割が違う
と理解することが重要です。

  • 稼ぐ → 攻めの行動
  • 残す → 守りの設計

稼ぐことだけを考えていると、

  • 単価を下げすぎる
  • 効率の悪い仕事を受ける
  • 体力と時間を消耗する

という選択をしがちになります。

一方、「残す」を意識すると、

  • 利益が出ない仕事を断れる
  • 無理な拡大をしなくなる
  • 冷静な判断ができる

ようになります。

起業家は、この攻めと守りのバランスを常に考えています。


残らない稼ぎ方は「成長している錯覚」を生む

起業初期に特に多いのが、
成長しているように見えて、実は消耗している状態です。

  • 売上は増えている
  • 仕事は増えている
  • 忙しくしている

にもかかわらず、

  • 手元資金が増えない
  • 心の余裕がなくなる
  • 次の一手を考える時間がない

これは、「稼ぐ」だけで「残す」を見ていない典型例です。

起業家がこの状態を恐れるのは、
いずれ必ず限界が来るからです。


起業家は「残る構造」を先に作る

長く続いている起業家ほど、
最初からこう考えています。

  • このビジネスはどれくらい残るか
  • 自分の時間をどれだけ使うか
  • 売上が落ちても耐えられるか

つまり、
「どう稼ぐか」より「どう残るか」
を先に設計しているのです。

だからこそ、

  • 小さく始める
  • 固定費を増やさない
  • 外注や広告に慎重になる

という行動を取ります。

これはケチだからではありません。
生き残るための戦略です。


「残す」を意識すると判断基準が変わる

「残す」を基準に考えるようになると、
起業の判断基準が大きく変わります。

たとえば、

  • 売上は大きいが、利益がほとんど出ない仕事
  • 売上は小さいが、ほぼ残る仕事

この2つがあった場合、
起業家は後者を選ぶことが多いです。

なぜなら、後者の方が

  • 精神的に安定する
  • 次の挑戦に使える
  • 長期的に積み上がる

と分かっているからです。


20代大学生が今、意識すべきこと

20代大学生が起業する上で、
最初から高度な会計知識は必要ありません。

しかし、最低限この視点は持つべきです。

  • 売上=自分のお金ではない
  • 残らなければ意味がない
  • 少額でも残る経験が大事

最初は月1万円でも構いません。
**「自分の手元に残った経験」**を作ることが、
その後の起業人生を大きく左右します。


起業とは「稼ぐゲーム」ではなく「残すゲーム」

最後に、最も重要な考え方をお伝えします。

起業は、
どれだけ稼いだかを競うゲームではありません。

  • どれだけ残せたか
  • どれだけ長く続けられたか
  • どれだけ自由に挑戦できたか

これが、起業の本質です。

「稼ぐ」と「残す」を分けて考えられるようになった瞬間、
起業はギャンブルではなく、戦略的な活動に変わります。

20代大学生にとって最大の失敗は、
稼げなかったことではありません。

稼いでいるつもりで、何も残らなかったことです。

だからこそ、起業家は最初から
「稼ぐ」と「残す」を分けて考えるのです。


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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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