起業で「成長している実感」が薄れる理由

起業を始めた大大学生の多くが、ある時期に同じ壁にぶつかります。

「最初よりは動けるようになったはずなのに、成長している感じがしない」
「毎日頑張っているのに、前に進んでいる実感がない」
「このまま続けて意味があるのだろうか」

これは、能力不足でも、努力不足でもありません。
むしろ、起業に真剣に向き合っている人ほど感じやすい感覚です。

実際、起業の現場では
「成長している実感がない=成長していない」
という図式は、ほぼ当てはまりません。

ではなぜ、起業ではこれほどまでに
「成長している実感」が薄れやすいのでしょうか。


理由① 成長が「数字」に現れない期間が長い

学校やアルバイトでは、

  • 点数が上がる
  • 評価が上がる
  • 給料が上がる

といった形で、成長が可視化されます。

しかし起業では、

  • 売上が安定しない
  • 成果が月ごとにブレる
  • 努力と結果が直結しない

という状態が当たり前です。

つまり、
成長していても、それを測る物差しが存在しない
期間が非常に長いのです。

この状態では、

「何も変わっていない気がする」
と感じてしまうのは、自然なことです。


理由② 「できるようになったこと」を数えなくなる

起業初期は、

  • 初めて営業できた
  • 初めて売れた
  • 初めて提案した

こうした「初体験」が多く、
成長を実感しやすい時期です。

しかし、ある程度経験を積むと、

  • 営業できて当たり前
  • 提案できて当たり前
  • 断られても当たり前

になります。

この瞬間から、
成長は「当たり前の裏側」に隠れるようになります。

人は、

  • できなかったことができるようになる
    よりも
  • できて当たり前になったこと

を成長として認識しにくい生き物です。


理由③ 成長の方向が「内側」に移る

起業初期の成長は、外から見て分かりやすいものです。

  • 行動量が増える
  • 売上が出る
  • 発信が始まる

しかし、途中から成長の主戦場は
**内側(思考・判断・感情処理)**に移ります。

たとえば、

  • 失敗しても立て直せる
  • 不安があっても動ける
  • 判断が早くなる
  • 他人と比べなくなる

これらは、
本人にしか分からない成長です。

にもかかわらず、多くの人は
「外的成果」だけを成長の基準にしてしまいます。

その結果、

成長しているのに、成長していないと感じる

というズレが生まれます。


理由④ 自分の基準が上がっていることに気づかない

起業を続けていると、
無意識のうちに「基準」が上がっていきます。

  • 昔はできなかったことが、今は普通
  • 昔は不安だった判断が、今は自然
  • 昔は怖かった行動が、今は日常

しかし、人はこの変化を
**「成長」ではなく「現状」**として受け取ります。

結果として、

  • 自分はまだまだ
  • 全然足りない
  • もっとできるはず

という感覚だけが残ります。

これは、成長が止まっているサインではなく、
視座が上がっているサインです。


理由⑤ 比較対象が「過去の自分」から「他人」になる

起業初期は、

  • 昨日の自分
  • 先月の自分

と比べて成長を感じます。

しかし、起業を続けるほど、

  • SNSの成功者
  • 同世代の起業家
  • 売上を出している人

と比較するようになります。

この瞬間、
成長実感は一気に薄れます。

なぜなら、
他人との比較に「終わり」はないからです。

どれだけ成長しても、
必ず自分より先にいる人が見えます。


理由⑥ 成長=「気持ちが楽になること」だと誤解している

多くの人が、無意識にこう思っています。

「成長したら、不安は減るはず」
「成長したら、迷わなくなるはず」

しかし現実は逆です。

起業で成長するほど、

  • 見える範囲が広がる
  • 判断の重みが増す
  • 責任が増える

ため、
悩みや不安の質が変わるだけです。

不安がゼロになることはありません。

成長とは、

不安が消えることではなく
不安を抱えたまま動けるようになること

です。

この定義を知らないと、
成長している最中なのに
「自分はダメだ」と誤解してしまいます。


理由⑦ 成長が「連続」ではなく「段階的」に起こる

起業の成長は、
毎日少しずつ実感できるものではありません。

  • しばらく停滞したように感じ
  • ある時まとめて理解が進み
  • 行動の質が一段上がる

という階段型です。

しかし、多くの人は
「毎日成長している感覚」を期待します。

その期待と現実のズレが、
「成長していない感覚」を生みます。


「成長している実感が薄い時」は危険ではない

ここまで読んで、
こう感じたかもしれません。

「じゃあ、どうすれば成長を実感できるのか?」

しかし、まず知ってほしいのは、

成長している実感が薄い時期は、
起業において“正常”である

ということです。

むしろ、

  • 何も考えず
  • 何も疑問を持たず
  • 常に自信満々

でいる方が、危険です。

成長している実感が薄れるのは、

  • 視野が広がり
  • 課題が見え
  • 次の段階に入っている

証拠でもあります。


大大学生が覚えておいてほしい視点

成長を実感できない時、
次の変化が一つでもあれば、
あなたは確実に前進しています。

  • 不安でも動けている
  • 失敗から学べている
  • 判断が早くなっている
  • 他人の意見を冷静に聞ける
  • 「やらなくていいこと」を選べる

これらは、
数字に出ないが、最も価値のある成長です。


成長は「感じるもの」ではなく「後から気づくもの」

最後に、最も大切なことをお伝えします。

起業における成長は、

  • 今その瞬間に実感できるものではなく
  • 振り返った時に気づくもの

です。

数ヶ月後、数年後に、

「昔の自分なら、あの場面で止まっていたな」
と気づいた瞬間、
あなたは自分の成長をはっきりと理解します。

大大学生にとって、
「成長している実感が薄い」という感覚は、
成長の真っ只中にいる証拠です。

焦らなくていい。
比べなくていい。
立ち止まらなくていい。

今は見えなくても、
あなたは確実に前に進んでいます。

それが、起業という道の
とてもリアルで、健全な姿なのです。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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