起業家が万能を目指さない理由

起業を考え始めた大大学生の多くが、無意識のうちにこう思っています。

「起業家になるなら、何でもできないといけない」
「営業も、マーケティングも、スキルも全部必要だ」
「自分はまだ足りないから、もっと万能にならないと…」

とても真面目で、努力家な考え方です。
しかし、実際に起業の現場で長く生き残り、成果を出している起業家ほど、
万能を目指していません。

それどころか、

  • 自分ができないことを把握している
  • あえてやらないことを決めている
  • 苦手分野を切り捨てている

という姿勢を持っています。

なぜ起業家は、
「何でもできる人」になろうとしないのでしょうか。


万能を目指す発想は「大学生思考」から生まれる

まず理解しておきたいのは、
万能を目指す発想の多くは、学校教育の延長にあります。

学校では、

  • バランスよくできる人
  • 苦手をなくした人
  • 平均点が高い人

が評価されてきました。

その延長で、

「起業家も、全部できた方がいい」
と考えてしまうのは自然なことです。

しかし、起業の世界では評価軸がまったく違います。


起業の世界では「平均」は価値にならない

起業において価値になるのは、

  • 何でもそこそこできる人
    ではなく
  • 何か一つで、明確に価値を出せる人

です。

  • 営業が強い
  • 企画が鋭い
  • 課題発見が上手い
  • 継続力がある

どれか一つが尖っていれば、
他が多少弱くても問題になりません。

逆に、

  • 全部70点
  • 特に強みがない

状態は、起業では最も不利です。

起業家が万能を目指さない理由の一つは、
万能=埋もれる
と知っているからです。


万能を目指すほど、成長が遅くなる

万能を目指す人は、

  • あれも学び
  • これも学び
  • すべてを平均以上にしよう

とします。

一見、成長しているように見えますが、
実際には

  • 集中できない
  • 成果が分散する
  • どれも中途半端

という状態に陥りやすくなります。

起業家は、

成長スピードは「選択と集中」で決まる

ことを経験から知っています。

だからこそ、
「何をやらないか」を強く意識します。


万能を目指すと「自分で全部やる地獄」に入る

起業初期は、
どうしても一人でやることが多くなります。

その延長で、

「全部できるようにならないと回らない」
と考えてしまう人も多いです。

しかし、この思考は非常に危険です。

万能を目指すと、

  • 任せられない
  • 教えられない
  • 仕組み化できない

という状態に陥ります。

結果として、

  • 時間がなくなる
  • 視野が狭くなる
  • 次のステージに進めない

起業家が万能を目指さないのは、
自分がボトルネックになる未来を避けるためでもあります。


起業家は「弱み」を隠さない

意外に思われるかもしれませんが、
多くの起業家は、自分の弱みをよく理解しています。

  • 数字が苦手
  • 細かい作業が嫌い
  • 継続が苦手
  • 人前で話すのが得意ではない

そして、その弱みを

  • 無理に克服しようとしない
  • できる人に頼る
  • 仕組みで補う

という選択をします。

万能を目指さないとは、
自分を諦めることではありません。
自分を正確に理解することです。


万能を目指さないから「強み」が育つ

人が本当に伸びるのは、

  • 得意なこと
  • 興味があること
  • 反応が返ってくること

に時間を使った時です。

万能を目指していると、

  • 苦手克服
  • 不安対策
  • 周囲との比較

に時間を奪われます。

起業家は、

苦手を平均にするより
得意を武器にする方が、
圧倒的にリターンが大きい

ことを理解しています。


起業家の「万能じゃない」は戦略である

起業家が万能を目指さないのは、
逃げでも妥協でもありません。

それは、

  • 時間
  • エネルギー
  • 判断力

を最も価値の高いところに使うための
戦略的な選択です。

  • 自分がやるべきこと
  • 自分がやらなくていいこと

を明確にすることで、
起業は初めてスケールします。


大大学生が勘違いしやすいポイント

大大学生は特に、

「今のうちに何でもできるようになった方がいい」
と考えがちです。

しかし、現実は逆です。

  • 若いうちは時間がある
    → だからこそ、集中すべき

万能を目指して遠回りするより、
一つの軸を作る方が、
後から選択肢が増えます。


万能を目指さない人の方が、結果的に強くなる

不思議なことに、

  • 万能を目指さなかった人
  • 自分の役割を決めた人

の方が、長期的には

  • できることが増え
  • 任せられるようになり
  • 影響力が広がります。

なぜなら、

  • 自分の強みを中心に
  • 人と組み
  • 仕組みを作る

という動きができるからです。


起業家が目指しているのは「万能」ではない

最後に、最も大切なことをお伝えします。

起業家が目指しているのは、

  • 何でもできる人
    ではありません。

価値を生み続けられる人

です。

そのために必要なのは、

  • 判断力
  • 継続力
  • 人を巻き込む力

であって、
すべてのスキルを自分一人で持つことではありません。


起業で本当に重要な問い

もし今、

「自分はまだ足りない」
「もっと万能にならないと」

と感じているなら、
この問いに置き換えてみてください。

「自分は、何で価値を出す人間なのか?」

この問いに向き合った瞬間から、
起業の進み方は大きく変わります。

起業家が万能を目指さない理由とは、
万能である必要がないことを、現実から学んでいるからです。

大大学生にとって大切なのは、
「全部できる自分」になることではありません。

「自分の役割を理解し、
価値を生み続ける自分」になること。

それこそが、起業の世界で生き残るための、
最も現実的で、最も強い選択なのです。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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