起業家が人の意見を選別する方法

起業をすると、驚くほど多くの「意見」があなたのもとに集まります。
家族、友人、先輩、SNSのフォロワー、起業コミュニティの仲間、たまたま出会った経営者。
応援の言葉もあれば、不安を煽る言葉、善意からのアドバイス、時には根拠のない否定もあります。

起業初期の大学生にとって、この「人の意見」にどう向き合うかは、事業の成否だけでなく、メンタルの安定にも大きく影響します。
重要なのは、「すべての意見を平等に聞かないこと」です。

なぜ起業家は意見に振り回されやすいのか

起業初期は、正解が見えません。
実績も少なく、「自分の判断は合っているのか?」という不安が常にあります。
そのため、人の意見が“答え”のように聞こえてしまうのです。

特に大学生起業家は、
・社会経験が少ない
・年上からの意見を重く受け取りやすい
・失敗を過度に恐れやすい
という特徴があります。

結果として、
「Aと言われたからやめる」
「Bと言われたから方向転換する」
と、軸が定まらないまま行動がブレてしまいます。

しかし、ここで覚えておいてほしいのは、意見の量と正しさは比例しないということです。

意見には「質」と「立場」がある

まず理解すべきなのは、世の中の意見はすべて同じ価値ではない、という事実です。
起業家が意見を選別する際、最初に見るべきは「誰が言っているか」です。

意見を出す人は、大きく分けて以下の4タイプに分かれます。

  1. 同じ挑戦を経験した人
  2. 成功・失敗の実体験を持つ人
  3. 外野から安全圏で語る人
  4. 感情や不安で語る人

この中で、真剣に検討すべきなのは1と2だけです。
3と4の意見は、参考にはなっても「判断基準」にしてはいけません。

たとえば、起業経験のない人が言う
「それ、やめた方がいいよ」
という言葉は、その人自身の不安を投影しているだけのことが多いのです。

「自分の目的」と合っているかで選別する

意見を選別するうえで、もう一つ重要なのが「自分の目的との一致」です。

同じ意見でも、
・短期で稼ぎたい人
・長期で事業を育てたい人
・安定を重視する人
・挑戦を優先する人
では、正解が変わります。

たとえば、
「まずはアルバイトした方がいい」
という意見も、生活費を確保する目的なら正しいですが、
時間を最大限使って事業検証したい人にとっては、必ずしも最適とは限りません。

だからこそ、起業家は常に
「自分は何を目指しているのか?」
を言語化しておく必要があります。

目的が明確であれば、
「この意見は今の自分に合う」
「これは別の価値観の話だ」
と冷静に仕分けできるようになります。

正解探しをやめ、「仮説」として扱う

起業において、人の意見は「答え」ではありません。
すべて仮説です。

優秀な起業家ほど、意見をそのまま採用しません。
「なるほど、そういう考え方もある」
と一度受け取り、
「自分の事業で検証するとどうなるか?」
を考えます。

つまり、
・信じる
・従う
ではなく、
・試す
・確かめる
というスタンスです。

この姿勢を持つことで、意見に振り回されることがなくなり、自分の判断力が鍛えられていきます。

意見を聞く人数を意図的に絞る

起業初期にありがちな失敗が、「相談しすぎること」です。
10人に相談すれば、10通りの答えが返ってきます。

情報が多すぎると、人は行動できなくなります。
だからこそ、意見を聞く相手は最初から絞るべきです。

おすすめは、
・自分が目指す状態に近い人
・価値観が近い人
・厳しいことも言ってくれる人
この2〜3人だけを「判断の軸」にすることです。

それ以外の意見は、ノイズとして扱って構いません。

最後に決めるのは、常に自分

どれだけアドバイスをもらっても、
事業の責任を取るのは、あなた自身です。

うまくいっても、失敗しても、結果を引き受けるのは自分。
だからこそ、最終判断まで他人に委ねてはいけません。

意見は「材料」であり、「答え」ではありません。
選別する力を身につけたとき、起業家は一気に強くなります。

人の意見に耳を傾けつつ、振り回されない。
謙虚さと主体性を両立できたとき、あなたの起業は確実に前に進みます。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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