起業を考えたことがある人なら、一度はこう思ったことがあるはずです。
「まだ早いかもしれない」
「もう少し準備してからでも遅くない」
「今は勉強の時期だ」
これらの言葉は、とても冷静で、賢く、正しい判断のように聞こえます。
特に大学生にとっては、慎重であること自体が美徳のように扱われることも多いでしょう。
しかし、実際に起業の現場を長く見ていると、ある事実が浮かび上がってきます。
成果を出せない人ほど、「まだ早い」を何度も口にするということです。
ここで重要なのは、「慎重さ」そのものが悪いのではありません。
問題は、「まだ早い」という言葉が、行動しない自分を正当化するための言い訳に変わる瞬間にあります。
「まだ早い」は最も否定しにくい言葉
「まだ早い」が厄介なのは、誰も否定しにくい点にあります。
・慎重で良い判断に見える
・リスク管理ができているように聞こえる
・無謀ではないという安心感がある
そのため、自分自身も、周囲も、この言葉を疑いません。
しかし、起業において「まだ早い」が出てくる場面を冷静に見てみると、
多くの場合、具体的な期限や条件が存在していないことに気づきます。
・いつになったら早くなくなるのか
・何が揃えば行動するのか
・その準備はどれくらい進んでいるのか
これらが曖昧なまま使われる「まだ早い」は、
判断ではなく、保留です。
「まだ早い」は不安を合理化する言葉
行動が止まる時、人は必ず不安を感じています。
・失敗したらどうしよう
・評価されたくない
・間違った選択をしたくない
しかし、不安をそのまま認めるのは勇気がいります。
そこで脳は、不安をもっともらしい言葉に置き換えます。
それが「まだ早い」です。
「怖いから動けない」と言う代わりに、
「まだ早いから動かない」と言う。
この言い換えが起きた瞬間、
行動しない選択が“合理的な判断”にすり替わります。
準備は無限に続けられてしまう
起業において、準備は非常に重要です。
しかし同時に、準備は終わりがありません。
・もっと知識をつけたい
・他の成功事例を見てから
・スキルが足りない気がする
こうした理由は、いくらでも追加できます。
「まだ早い」と言い続ける人は、
準備をしているようで、実は行動しない理由を増やしている状態に陥りがちです。
一方、結果を出す起業家は、
「準備が不十分でも動きながら整える」ことを選びます。
なぜなら、
動かなければ分からない準備が圧倒的に多いと知っているからです。
「早いか遅いか」は行動して初めて分かる
起業でよくある誤解の一つが、
「今が早いかどうかは、動く前に判断できる」という考えです。
現実は逆です。
・その分野が自分に合っているか
・想像と現実のギャップはどれくらいか
・自分はどこでつまずくのか
これらは、行動して初めて分かります。
つまり、「まだ早いかどうか」は、
本来、動いた後にしか判断できないものです。
行動前に「まだ早い」と結論づけること自体が、
論理的に矛盾しているケースも少なくありません。
「まだ早い」は失敗を避けたい気持ちの裏返し
大学生起業家にとって、失敗は大きな恐怖です。
・時間を無駄にしたくない
・周囲に笑われたくない
・間違った選択をしたと思いたくない
これらの感情が強いほど、
人は「完璧なタイミング」を探し始めます。
しかし、起業において
完璧なタイミングは存在しません。
環境が整ってから始めようとすると、
環境が変わった瞬間に、また「まだ早い」が出てきます。
結果として、
何も始まらないまま時間だけが過ぎていきます。
行動しないリスクは見えにくい
「まだ早い」という判断が危険なのは、
行動しないことのリスクが見えにくい点にあります。
・経験値が積み上がらない
・判断力が育たない
・失敗耐性がつかない
これらは、目に見える損失ではありません。
だからこそ軽視されがちです。
しかし数年後、
「動いてきた人」と「考えていただけの人」の差は、
取り返しがつかないほど広がります。
「まだ早い」を使わない人の考え方
行動できる起業家は、「まだ早い」とは言いません。
代わりに、こう考えています。
・今できる最小の行動は何か
・失敗しても致命傷にならない形は何か
・まず試すなら、どこまでなら安全か
彼らは、
「やるか、やらないか」ではなく、
**「どのサイズでやるか」**を考えています。
この視点を持てた瞬間、
「まだ早い」は判断基準として使えなくなります。
「まだ早い」が出た時は、行動を分解する
もし今、あなたの頭に
「まだ早い」という言葉が浮かんでいるなら、
それは行動をやめるサインではありません。
行動を大きく設定しすぎているサインです。
・いきなり結果を出そうとしていないか
・一歩で成功しようとしていないか
・評価まで一気に受けに行っていないか
行動を分解し、
失敗しても問題ないサイズまで小さくすれば、
「まだ早い」は自然と消えていきます。
「まだ早い」は賢そうな言い訳に過ぎない
起業で本当に危険なのは、
失敗することではありません。
「まだ早い」と言い続けて、何も始まらないことです。
慎重さと先延ばしは、似ているようで全く違います。
前者は行動を伴い、後者は行動を止めます。
もし今、
一歩を踏み出せずにいるなら、
自分にこう問いかけてみてください。
「これは本当に判断だろうか?
それとも、不安をきれいな言葉に言い換えているだけだろうか?」
その問いに向き合えた時、
起業は“いつかやるもの”から、
“今、試すもの”に変わります。
