起業家が自分を信じられるようになる瞬間

起業を始めたばかりの頃、多くの大学生がこう感じます。
「本当に自分にできるのだろうか」
「周りはもっと優秀そうに見える」
「失敗したら、自分の価値まで否定されそうで怖い」

この不安は、特別なものではありません。
むしろ、真剣に起業と向き合っている人ほど、自分を信じられない時間が長く続きます。

ここで大切なのは、「自分を信じられない状態=向いていない」という誤解をしないことです。
起業家が自分を信じられるようになるのは、才能や根拠のない自信が生まれた瞬間ではありません。
そこには、はっきりとした“きっかけ”と“積み重ね”があります。

自分を信じられないのは、スタート地点に立った証拠

起業前や起業初期は、「自信がない自分」に違和感を覚えがちです。
しかし冷静に考えれば、経験がない状態で自信がある方が不自然です。

・まだ結果を出していない
・正解を知らない
・評価された経験が少ない

この状態で「自分はできる」と言い切れる人は、むしろ現実を見ていません。
自分を信じられないという感覚は、
現実を正しく見ている証拠でもあります。

だから、最初から自信を持とうとする必要はありません。
起業家は、「信じられない状態」から始まるものなのです。

瞬間① 小さな約束を守れた時

起業家が最初に自分を信じられるようになる瞬間は、とても地味です。

・今日は30分だけ作業すると決めて、実行できた
・完璧ではないけれど、提出・公開できた
・不安でも、連絡を一本入れられた

これらは、他人から見れば取るに足らない行動かもしれません。
しかし、自分との約束を守れた経験は、確実に蓄積されます。

自信とは、「すごい成果」から生まれるものではありません。
自分は決めたことを、ちゃんとやれる人間だ
この感覚が、信頼の土台になります。

瞬間② 失敗しても、立ち上がれたと気づいた時

起業では、必ず失敗します。
思ったように売れない、反応がない、断られる。
そのたびに、「やっぱり自分はダメだ」と感じます。

しかし、ある時ふと気づく瞬間があります。

「あの時、かなり落ち込んだけど、まだ続けているな」
「失敗したけど、完全に終わったわけではないな」

この気づきは、とても重要です。
自信とは、「失敗しない自分」を信じることではありません。
失敗しても、壊れない自分を知ることです。

一度でも「最悪だと思った状況を、やり過ごせた経験」ができると、
人は一段強くなります。

瞬間③ 誰かに価値を感じてもらえた時

起業初期の自信は、ほとんどの場合、自分の中からは生まれません。
最初は、他人の反応が鏡になります。

・「分かりやすかったです」
・「助かりました」
・「ありがとう」

たった一言でも構いません。
誰かの役に立てたという実感は、
「自分の存在が無意味ではない」という確信につながります。

ここで重要なのは、
大きな成果やお金である必要はない、ということです。

一人でもいい。
自分の行動が、誰かに影響を与えた。
その事実が、自分を信じる最初の根拠になります。

瞬間④ 「分からないまま進める自分」に慣れた時

起業を始めたばかりの頃は、
「分からない状態」がとにかく怖いものです。

・正解が分からない
・将来が見えない
・選択が合っているか分からない

しかし、続けていくうちに、ある変化が起きます。

「分からないままでも、とりあえず動ける」
「間違えたら直せばいいと思える」

この状態に入った時、
人は自分を少し信じられるようになります。

完璧な判断ができるからではありません。
修正できる自分を信頼できるようになるからです。

瞬間⑤ 他人と比較しなくなった時

自信がない時、人は無意識に他人と比べます。

・あの人はもう結果を出している
・自分は遅れている
・才能が違う

しかし、あるタイミングで、比較が意味を持たなくなる瞬間があります。

・自分の課題が明確になった
・昨日の自分との違いが見える
・やるべきことが分かっている

この状態になると、
他人のスピードや成果は、参考にはなっても、脅威ではなくなります。

自分のレーンを走れている感覚。
これが、自信を安定させます。

自信は「持つもの」ではなく「育つもの」

ここまで読んで、気づいたことがあるかもしれません。
起業家が自分を信じられるようになる瞬間は、
劇的でも、派手でもありません。

・小さな行動
・小さな失敗
・小さな手応え

これらが、時間をかけて積み重なった結果です。

だから、今自信がなくても問題ありません。
それは、何も積み上がっていないからではなく、
積み上げている途中だからです。

自分を信じられるようになる日は、ある日突然やってくる

最後に一つ、覚えておいてほしいことがあります。
自分を信じられるようになる瞬間は、
「よし、信じよう」と決意した日に訪れるわけではありません。

気づいたら、
・以前ほど不安に振り回されなくなっていた
・失敗しても立て直せる気がしていた
・続けている自分を否定しなくなっていた

そんな変化として、静かに現れます。

起業家が自分を信じられるようになるのは、
成功したからではありません。
やめなかった自分を、後から振り返った時です。

今は信じられなくても構いません。
今日やるべき小さな一歩を、淡々と積み重ねてください。
その先で、必ずこう思う日が来ます。

「意外と、自分は大丈夫だったな」と。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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