お客さんの声を集める情報収集の方法

起業を考え始めた大学生が、最初につまずきやすいポイントがあります。
それは、

「何を作ればいいか分からない」
「アイデアに自信が持てない」

という悩みです。

この原因のほとんどは、能力不足でもセンス不足でもありません。
お客さんの声を知らないことが原因です。

起業において最も価値がある情報は、
市場調査データでも、ビジネス書の理論でもなく、
**実際にお金を払う人の“生の声”**です。

そして重要なのは、
起業前・大学生の段階でも、
お客さんの声は集められるということです。

なぜ「お客さんの声」が最優先なのか

起業初期に失敗する多くの人は、次の順番で考えます。

  1. 自分がやりたいことを決める
  2. 商品・サービスを作る
  3. 売れなかった理由を考える

一方、うまくいく人は逆です。

  1. お客さんの悩みを知る
  2. その悩みを解決する形を考える
  3. 最小限の形で試す

この違いを生むのが、
お客さんの声をどれだけ具体的に知っているかです。

お客さんの声は、

  • 何に困っているか
  • どんな言葉で悩みを表現するか
  • どんな解決策ならお金を払うか

これらすべてが詰まった、最高の教材です。

勘違いされがちな「お客さんの声」

ここで注意点があります。
多くの大学生が「お客さんの声」を次のように勘違いしています。

  • 企業のアンケート結果
  • マーケティング本に載っているペルソナ
  • 自分の周りの意見

これらは参考にはなりますが、
一次情報ではありません。

本当に価値があるのは、

  • 自分の足で拾った言葉
  • 感情が混ざった不満
  • 諦めや苛立ちがにじんだ本音

こうした「生々しい声」です。

方法①:すでに存在する声を徹底的に拾う

起業前に、いきなりインタビューをする必要はありません。
まずやるべきは、すでに世の中に出ている声を集めることです。

具体的には、

  • 商品レビュー(Amazon、楽天、App Storeなど)
  • SNSの投稿・リプライ・引用
  • Q&Aサイト(Yahoo!知恵袋など)
  • noteやブログのコメント欄

これらの場所には、
「お金を払った人」「困っている人」の本音が大量にあります。

ポイントは、
「良い評価」よりも「不満」「不便」「後悔」を見ることです。

  • 何に期待していたのか
  • どこが足りなかったのか
  • なぜ満足できなかったのか

ここに、ビジネスの種があります。

方法②:「解決できていない声」を集める

起業アイデアのヒントは、
まだ解決されていない不満にあります。

例えば、

  • 「◯◯が分かりにくい」
  • 「結局どうすればいいの?」
  • 「調べても答えが出ない」

こうした声は、
既存サービスが満たしきれていない証拠です。

検索エンジンやSNSで、

  • 「◯◯ 分からない」
  • 「◯◯ 難しい」
  • 「◯◯ 失敗」

といったキーワードを追うだけでも、
リアルな悩みが次々に出てきます。

方法③:自分の身近な人を“お客さん候補”として見る

大学生起業では、
最初のお客さんは「遠く」にいません。

  • サークルの仲間
  • バイト先の同僚
  • 先輩・後輩

ただし、ここで重要なのは
意見を聞く姿勢です。

「このアイデアどう思う?」と聞くと、
ほぼ確実にポジティブな答えが返ってきます。

代わりに聞くべきなのは、

  • 今、何に一番困っているか
  • それを解決するために何をしているか
  • なぜそれに満足していないか

アイデアの評価ではなく、
悩みの深掘りをします。

方法④:質問は「Yes/No」で聞かない

お客さんの声を集めるとき、
最もやってはいけないのが、
Yes/Noで終わる質問です。

×「このサービス欲しい?」
×「便利だと思う?」

これでは、本音は出てきません。

代わりに使う質問は、

  • それで困ったのはいつか
  • 一番ストレスだった瞬間は何か
  • 解決できたら何が変わるか

感情と具体性を引き出す質問です。

言葉に詰まったり、話が長くなる部分ほど、
本当のニーズが隠れています。

方法⑤:声は「言葉のまま」保存する

集めたお客さんの声を、
自分なりに要約したくなる気持ちは分かります。

しかし、起業初期では
絶対に言葉を加工しないことが重要です。

  • そのままの言い回し
  • 感情的な表現
  • ちょっと汚い言葉

これらは、後に

  • 商品説明文
  • セールス文章
  • LP(縦長ページ)

にそのまま使えます。

お客さんの言葉は、
最高のコピーライティング素材です。

方法⑥:集めた声を「行動」に変える

情報収集で終わらせないために、
集めた声は必ず行動に落とします。

例えば、

  • 同じ悩みが3回以上出た → 需要あり
  • 強い不満が多い → 改善余地あり
  • 解決策にお金を払っている → ビジネス候補

完璧な分析は不要です。
小さく作って、小さく試すだけで十分です。

起業とは「答えを作る仕事」ではない

多くの大学生が勘違いしていますが、
起業は「正解を考える仕事」ではありません。

お客さんの声を聞き続け、形に変える仕事です。

最初から完璧なアイデアなど存在しません。
お客さんの声に触れ続けた人だけが、
「売れる感覚」を身につけていきます。

お客さんの声を集めた人から勝っていく

起業で一番の近道は、
頭で考える時間を減らし、
お客さんの声に触れる時間を増やすことです。

  • 自信がないなら、声を集める
  • アイデアが浮かばないなら、声を集める
  • 迷ったら、声を集める

それだけで、
ビジネスの精度は確実に上がっていきます。

起業は、
「自分が何をしたいか」から始めるものではありません。

「誰が、何に困っているか」
ここから始めた人だけが、
ゼロからでも前に進めるのです。

Let's share this post !

Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

TOC