起業を考え始めた大学生の多くが、ある勘違いをしています。
それが、
「起業するなら、まず会社を作らなきゃいけない」
という思い込みです。
・会社名を考える
・法人登記を調べる
・ロゴや名刺を作る
これらをやっていると、
「起業っぽいことをしている感覚」
が強くなります。
しかし結論から言います。
起業=すぐ会社設立、という考え方はかなり危険です。
特に大学生にとって、
「いきなり法人化」は
リスクの割にリターンが少ない選択
になることが非常に多いです。
ここでは、なぜ“すぐ会社設立”が危険なのか、
そして大学生起業では何を優先すべきなのかを、構造から解説します。
なぜ「会社を作る=起業」だと思ってしまうのか
この誤解が生まれる理由は、とてもシンプルです。
・ニュースで見る起業家は全員社長
・成功事例は「◯◯株式会社を設立」と紹介される
・法人=本気、というイメージ
つまり、
結果だけを見て、順番を誤解している
のです。
多くの成功事例は、
- 小さく始める
- 売上が立つ
- 継続できる手応えが出る
- その後に法人化
という流れを辿っています。
最初から法人だったわけではありません。
危険な理由① 会社を作っても、売上は1円も生まれない
まず大前提として、
会社設立は「売上を生む行為」ではありません。
・法人登記
・定款作成
・銀行口座開設
これらをどれだけ完璧にやっても、
お客さんは増えません。
しかし多くの大学生は、
「会社を作った=一歩進んだ」
と感じてしまいます。
この状態は、
実態のない前進感
です。
起業初期で最も重要なのは、
「誰かが、お金を払ってくれるかどうか」
ただそれだけです。
危険な理由② 固定費と責任が一気に増える
法人を作ると、
想像以上に「維持コスト」が発生します。
・法人住民税(赤字でもかかる)
・会計・税務の手間
・各種届出や管理
売上が安定していない段階でこれを抱えると、
精神的なプレッシャーが一気に跳ね上がります。
大学生起業で一番避けたいのは、
「稼ぐ前に、疲れること」
です。
法人化は、
やることを増やす行為
だと理解してください。
危険な理由③「引き返しにくくなる」
会社を作ると、
こういう心理が働きやすくなります。
・せっかく作ったからやめられない
・周りに宣言してしまった
・失敗を認めにくい
これが、
撤退判断を遅らせる原因
になります。
起業初期に必要なのは、
成功よりも
「やめる・変える自由」
です。
法人化は、
この自由を一部奪います。
危険な理由④ 「起業した気分」になって行動が鈍る
これは意外と多い落とし穴です。
・会社名がある
・名刺がある
・代表取締役という肩書き
これだけで、
満足してしまう人
がいます。
しかし現実は、
会社があるかどうかより、
・営業したか
・検証したか
・改善したか
がすべてです。
法人化は、
行動の代わりにはなりません。
危険な理由⑤ 大学生起業の強みを自ら捨てている
大学生起業の最大の強みは何でしょうか。
・小さく始められる
・失敗してもやり直せる
・身軽に動ける
これらはすべて、
法人化しないことで活きる強み
です。
いきなり会社を作ると、
この「軽さ」を自分から捨ててしまいます。
では、大学生起業で最初にやるべきことは何か
答えは明確です。
「売上が立つかどうか」を確認すること。
・個人として受注する
・小さなサービスを試す
・無料や低単価でもいい
重要なのは、
誰かが実際にお金を払ってくれるか
を確かめることです。
この検証が終わるまでは、
会社は必要ありません。
「会社を作った方が信用される」は本当か?
よくある反論がこれです。
確かに、
業種や相手によっては法人の方が有利な場合もあります。
しかし大学生起業の初期では、
・あなた個人の信頼
・対応の丁寧さ
・実績や成果
の方が、はるかに重要です。
会社があっても、
中身がなければ信用は得られません。
会社設立を考えていいタイミングとは
では、いつ法人化を考えるべきなのでしょうか。
目安は以下のような状態です。
・売上が継続的に立っている
・やっていることが固まってきた
・個人だと不都合が出てきた
・税務・契約上の理由が明確
この段階での法人化は、
事業を伸ばすための手段
になります。
逆に、
「覚悟の証明」としての法人化は、
ほぼ意味がありません。
まとめ|起業のスタートは「登記」ではない
起業=すぐ会社設立が危険な理由をまとめます。
- 会社を作っても売上は生まれない
- 固定費と責任が一気に増える
- 引き返しにくくなる
- 起業した気分で満足しやすい
- 大学生起業の身軽さを失う
起業とは、
会社を作ることではありません。
「誰かの課題を解決し、その対価をもらうこと」
です。
会社設立は、
起業のスタートではなく、
起業がうまくいき始めた“結果”の一つ
に過ぎません。
焦らなくて大丈夫です。
大学生起業において、
「会社を作らない勇気」は、
とても賢い選択です。
