大学生起業で「法人化」を意識し始めると、
ほぼ必ず出てくる疑問があります。
「会社を作るなら、株式会社と合同会社、どっち?」
「大学生起業なら合同会社でいいって聞いたけど本当?」
「株式会社の方が信用が高いの?」
ネットで調べると、
・「合同会社は安いからおすすめ」
・「株式会社じゃないと信用されない」
・「いずれ株式会社にするなら最初から株式会社」
など、
真逆の意見が並び、余計に迷ってしまいがちです。
結論から先に言います。
株式会社と合同会社に「どちらが正解」という答えはありません。
ですが、
大学生起業という前提に立つと、向き・不向きははっきり存在します。
ここでは、
・そもそも何が違うのか
・大学生起業ではどちらが選ばれやすいのか
・どう考えて決めれば後悔しにくいか
を、専門用語をできるだけ使わずに解説します。
そもそも「株式会社」と「合同会社」とは?
まずは、超シンプルに整理します。
株式会社
・日本で最も一般的な会社形態
・「株主」と「経営者」が分かれる前提
・社会的に最も認知度が高い
合同会社
・比較的新しい会社形態
・出資者=経営者
・シンプルで自由度が高い
どちらも「法人」であり、
法律上の立場に大きな上下はありません。
① 設立コストの違い
大学生起業で、まず気になるのが「お金」です。
株式会社
・設立費用:約20万円前後
(登録免許税・定款認証など)
合同会社
・設立費用:約6〜10万円前後
(定款認証が不要)
👉 合同会社の方が、初期費用は明確に安い
大学生にとって、
・まだ売上が安定していない
・できるだけ固定費を増やしたくない
という状況では、
この差は無視できません。
② 社会的な「信用」の違い
ここは、よく誤解されやすいポイントです。
株式会社の信用
・名前を聞いたことがある
・昔からある形態
・大企業の多くが株式会社
そのため、
「株式会社=ちゃんとしてそう」
というイメージを持たれやすいのは事実です。
合同会社の信用
・知名度はまだ低め
・仕組みを知らない人も多い
ただし、重要なのはここです。
実務上、合同会社だから契約できないケースは、大学生起業ではほぼありません。
・個人か法人か
・実績があるか
・ちゃんと対応してくれるか
多くの取引先が見ているのは、
会社形態より中身です。
③ 経営の自由度の違い
大学生起業にとって、かなり重要なポイントです。
株式会社
・株主総会
・取締役
・役員任期
など、
形式的なルールが多いです。
一人でやっていても、
「一応、手続きを守る必要がある」
という状態になります。
合同会社
・出資者=経営者
・役職の縛りが少ない
・意思決定がシンプル
つまり、
「自分で決めて、すぐ動ける」
これが合同会社の大きな特徴です。
大学生起業のように、
・方向転換が多い
・試行錯誤が前提
なフェーズでは、
この自由度はかなり大きなメリットになります。
④ 利益配分の考え方の違い
株式会社
・出資比率(株式)に応じて利益配分
・将来的に投資を受けやすい
合同会社
・自由に利益配分を決められる
・出資比率に縛られない
大学生起業の初期は、
・自分一人
・もしくは少人数
であることがほとんどです。
この段階では、
合同会社の柔軟さが扱いやすいケースが多いです。
⑤ 将来の拡張性の違い
よく言われるのが、
「将来大きくするなら株式会社じゃないとダメ?」
という疑問です。
実際のところ
・最初は合同会社
・後から株式会社に変更
これは普通に可能です。
逆に、
・最初から株式会社
・でも規模が小さいまま
というケースも山ほどあります。
つまり、
会社形態が、事業の成長を決めるわけではありません。
⑥ 大学生起業で多い選択パターン
実際に多いのは、次の2パターンです。
パターン① 合同会社スタート
・コストを抑えたい
・まずは試したい
・一人 or 少人数
👉 大学生起業で一番多い
パターン② 株式会社スタート
・最初から対外的な信用を重視
・将来的に投資を想定
・取引先が法人前提
👉 明確な理由がある場合
⑦ 「大学生だから合同会社でいい」は本当か?
半分正解で、半分間違いです。
正しく言うと、
「大学生だから」ではなく
「起業初期だから」合同会社が向いている
というケースが多い、ということです。
大学生でも、
・すでに売上が安定している
・法人前提のビジネスをしている
なら、
最初から株式会社という判断も十分あり得ます。
⑧ 迷ったときのシンプルな判断基準
もし迷ったら、次の質問に答えてみてください。
Q1:まだ試行錯誤の段階?
→ YES → 合同会社向き
Q2:一人 or 少人数で始める?
→ YES → 合同会社向き
Q3:対外的な信用が最優先?
→ YES → 株式会社向き
Q4:将来、投資を受けたい?
→ YES → 株式会社向き
このように考えると、
感情ではなく状況で判断できます。
⑨ よくある勘違い
最後に、大学生がよく勘違いしやすい点を整理します。
・合同会社=小さい会社
→ ❌ 形態の違いであって、規模ではない
・株式会社=成功
→ ❌ 会社形態と成功は無関係
・最初の選択が一生続く
→ ❌ 途中で変更できる
まとめ:大学生起業で大切なのは「形」より「動きやすさ」
株式会社と合同会社の違いをまとめると、
・株式会社:信用・将来拡張向き
・合同会社:低コスト・自由度重視
大学生起業において最も大切なのは、
・早く始められる
・柔軟に変えられる
・失敗しても立て直せる
この条件を満たすことです。
その意味で、
「まずは合同会社で始める」
→「必要になったら株式会社にする」
という選択は、
非常に現実的で失敗しにくいルートです。
ただし、
どちらを選んでも、起業の本質は変わりません。
会社形態より大切なのは、
誰に、どんな価値を届けるか。
株式会社か合同会社かは、
あなたの起業を証明するものではなく、
起業をやりやすくするための道具です。
その道具を、
今の自分に合った形で選ぶこと。
それが、
大学生起業における一番賢い判断です。
