「株式会社じゃないとダメ」という勘違い

大学生起業を考え始めると、
多くの人が、ほぼ無意識のうちにこう思っています。

「会社を作るなら、株式会社でしょ」
「合同会社って、正直どうなの?」
「株式会社じゃないと信用されないんじゃない?」

この感覚は、あなただけではありません。
むしろ、ほとんどの大学生が最初に持つ勘違いです。

ですが、結論からはっきり言います。

起業において、「株式会社じゃないとダメ」というルールは存在しません。

それどころか、
大学生起業という文脈では、
この思い込みが足かせになっているケースの方が圧倒的に多いです。


なぜ「株式会社じゃないとダメ」と思ってしまうのか

まず、この勘違いが生まれる理由を整理しましょう。

① 周りにある会社のほとんどが株式会社だから

世の中に存在する有名企業は、

・トヨタ
・ソニー
・ソフトバンク

ほぼすべてが株式会社です。

そのため、

「会社=株式会社」

というイメージが、無意識に刷り込まれています。


② 大人やネットの意見をそのまま信じている

起業に関する情報を調べると、

・「信用を得るなら株式会社」
・「法人=株式会社が普通」

といった言葉が並びます。

ただし、ここで見落としがちなのが、

それらの多くは「社会人起業」や「拡大フェーズ」の話
だという点です。

大学生起業の初期フェーズとは、前提条件がまったく違います。


③ 「ちゃんとして見られたい」という心理

大学生起業では、

・軽く見られたくない
・遊びだと思われたくない
・本気だと伝えたい

こうした気持ちが自然に生まれます。

その結果、

「株式会社なら、ちゃんとして見えるはず」

と考えてしまうのです。

ですが、見た目と実態は別物です。


株式会社=信用、は本当に正しいのか?

ここで、一度冷静に考えてみてください。

あなたが何かサービスを利用するとき、

・会社が株式会社か
・合同会社か

を、毎回チェックしていますか?

ほとんどの人は、

・自分にとって役に立つか
・ちゃんと対応してくれるか
・信頼できそうか

を見ています。

実際のビジネスの現場でも同じです。


実務上「株式会社じゃないとダメ」な場面はどれくらいある?

結論から言うと、

大学生起業の初期では、ほぼありません。

・契約
・請求書
・口座開設

これらは、合同会社でも問題なく行えます。

「合同会社だから断られた」というケースは、
大学生起業の段階では極めてレアです。


「株式会社じゃないとダメ」と思い込むと起きる問題

この勘違いを抱えたまま起業を考えると、
次のような問題が起こりやすくなります。


問題① 起業のハードルが一気に上がる

株式会社を前提にすると、

・設立費用が高い
・手続きが多い
・準備に時間がかかる

その結果、

「もう少し準備してから」
「今はまだ早いかも」

と、行動がどんどん先送りされます。

本当は今すぐ小さく始められるのに、
勝手にブレーキをかけてしまう
のです。


問題② 形ばかり気にして中身が育たない

「株式会社を作ること」が目的になると、

・ロゴ
・名刺
・会社概要
・肩書き

といった、
見た目を整える作業に時間を使いがちになります。

ですが、起業初期に本当に必要なのは、

・売れるか
・お金を払ってもらえるか
・価値を感じてもらえるか

という、中身の検証です。


問題③ 柔軟性を失いやすい

株式会社は、

・ルールが多い
・変更に手間がかかる

という特徴があります。

試行錯誤が前提の大学生起業において、

・すぐ方向転換したい
・形を変えたい

という場面で、
動きにくさがストレスになります。


合同会社は「妥協」ではない

ここで大事な視点があります。

合同会社は、

・株式会社の下位互換
・簡易版の会社

ではありません。

役割と向き不向きが違うだけです。

合同会社は、

・低コスト
・高い自由度
・意思決定が速い

という特徴を持っています。

これは、
大学生起業の初期フェーズと非常に相性が良いです。


「じゃあ、いつ株式会社が必要になるの?」

ここも整理しておきましょう。

株式会社が向いてくるのは、

・事業が安定してきた
・人やお金を大きく扱い始めた
・外部からの信用がより重要になった

こうした次のフェーズです。

つまり、

**株式会社は「最初に作るもの」ではなく、
「必要になったら選ぶもの」**です。


よくある誤解を整理する

ここで、大学生がよく持つ誤解を一気に整理します。

・株式会社じゃないと信用されない
→ ❌ 中身と対応の方が圧倒的に重要

・合同会社だと恥ずかしい
→ ❌ ビジネスの現場では気にされない

・最初に株式会社にしないと出遅れる
→ ❌ 事業の成長スピードとは無関係

・途中で変えられない
→ ❌ 合同会社→株式会社は可能


大学生起業で大切なのは「会社の種類」ではない

ここまで読んで分かる通り、

起業において本当に大切なのは、

・株式会社か
・合同会社か

ではありません。

大切なのは、

・誰のどんな課題を解決するか
・お金を払ってもらえるか
・続けられる形になっているか

です。

会社形態は、
それをやりやすくするための道具でしかありません。


「株式会社じゃないとダメ」という勘違いの正体

この勘違いの正体は、

・不安
・比較
・見栄

です。

ですが、起業に必要なのは、

・冷静な判断
・現実的な選択
・柔軟さ

です。

見た目を整えることより、
動ける状態を作ることの方が、
100倍大切です。


まとめ:「株式会社じゃないとダメ」は幻想

最後に、シンプルにまとめます。

・株式会社じゃないと起業できない
→ ❌ 完全な誤解

・合同会社は妥協案
→ ❌ 戦略的な選択肢

・最初の形がすべてを決める
→ ❌ 途中でいくらでも変えられる

大学生起業において重要なのは、

**「今の自分に合った形で、早く動けること」**です。

株式会社かどうかで悩んで止まるくらいなら、

・個人
・合同会社

どんな形でもいいから、
まず一歩踏み出す方が、圧倒的に価値があります。

会社形態は、
あなたの本気度を証明するものではありません。

行動と結果だけが、起業家であることを証明します。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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