定款とは?

起業で「法人化」を考え始めると、ほぼ確実に出てくる言葉があります。それが、「定款(ていかん)」です。

・定款って何?
・なんで作らなきゃいけないの?
・難しそうだけど、自分に関係ある?

正直、初めて聞いたときは「よく分からないし、面倒そう」と感じる人がほとんどです。実際に私もそうでした。ですが、安心してください。定款は、内容をちゃんと理解すれば、大学生でも十分に分かるものです。むしろ、定款の役割を理解していないまま法人を作る方が、後で困ります。

ここでは、

・定款とは何か
・なぜ必要なのか
・どう考えればいいのか

を、専門用語を極力使わずに書いていきますので、是非お読みください。


そもそも定款とは何か?

一言で言うと、定款とは、「その会社のルールブック」です。もっと分かりやすく言えば、「この会社は、何を目的に、どんなルールで運営します」と宣言する書類。それが定款です。会社は、勝手にルールを作って動くことはできません。「この会社は、こういう決まりで運営しますよ」という前提を、最初に書面で決める必要があるのです。


なぜ定款が必要なのか?

ここで、多くの大学生が疑問に思います。「自分一人の会社なのに、ルールって必要?」結論から言うと、必要です。なぜなら、会社は「あなた個人」とは別の存在だからです。法人とは、

・あなたとは別の人格
・社会的に独立した存在

として扱われます。そのため、「この会社は、何をしていいのか」「どこまでがOKで、どこからがNGか」を明確にする必要があります。それを決めるのが、定款です。


定款がないと会社は作れない

とても重要なポイントです。定款がなければ、会社は設立できません。会社設立の流れは、大まかに言うと、

  1. 定款を作る
  2. 定款を認証(株式会社の場合)
  3. 登記する

という順番です。つまり定款は、法人化のスタート地点とも言える存在です。


定款に書かれている主な内容

「ルールブック」と言われても、何が書いてあるのか分からないと不安ですよね。定款に書かれている内容は、大きく分けて次のようなものです。


① 会社の目的(何をする会社か)

定款で一番重要なのが、「事業目的」です。これは、この会社は、どんな事業をするのかを文章で書いたものです。例としては、

・インターネットを利用した情報提供サービス
・各種商品の企画、販売
・マーケティング支援業務

など。大学生の場合、

・最初から完璧に決める必要はない
・少し広めに書くのが一般的

という特徴があります。


② 会社の名前(商号)

・会社名
・株式会社か合同会社か

も、定款に記載します。これは、「この名前で、この会社は存在します」という公式な宣言です。


③ 本店所在地(会社の住所)

会社の住所も、定款に書きます。大学生の起業の場合は、

・自宅
・実家
・バーチャルオフィス

などがよく使われます。重要なのは、「どこで仕事をするか」ではなく「会社の住所として登録する場所」だという点です。


④ 出資やお金に関するルール

・資本金はいくらか
・誰がいくら出資するか

といった、お金に関するルールも定款に含まれます。大学生の起業では、

・一人で出資
・少額スタート

というケースがほとんどです。


⑤ 会社の運営ルール

ここには、

・誰が経営するか
・どうやって意思決定するか

などが書かれます。

一人で起業する場合は、比較的シンプルな内容になります。


定款は「守らなきゃいけないルール」なのか?

ここでよくある誤解があります。「定款に書いたことは、絶対に変えられないんでしょ?」答えは、いいえ。変えられます。定款は、

・必要に応じて
・手続きをすれば

変更可能です。起業の初期は、

・事業内容が変わる
・方向性が変わる

のが当たり前です。そのため、「最初から完璧な定款を作る必要はない」というのが、とても重要な考え方です。


なぜ定款が「難しいもの」に見えるのか

定款が難しく感じられる理由は、シンプルです。

・法律用語が多い
・文章が堅い
・ネットの解説が専門家向け

だからです。ですが本質は、「この会社は、こうやって動きますよ」を文章にしただけそれ以上でも、それ以下でもありません。


定款を考えるときのポイント

大学生の起業ならではの、定款に対する正しいスタンスを整理します。


ポイント① 完璧を目指さない

定款は、

・あとから変えられる
・最初は仮の設計でいい

という前提で考えましょう。

「一生この定款でいく」と思う必要はありません。


ポイント② 事業目的は少し広めに

起業の初期は、

・やりながら見えてくること
・方向転換

が必ず起こります。そのため、

・狭すぎる事業目的は避けた方が無難です。


ポイント③ 「今の自分」に合った内容にする

ネットにある定款のひな形を、そのまま使う人も多いですが、

・本当にその内容が必要か
・自分の事業に合っているか

は、一度考えてみてください。


定款は「夢を書く書類」ではない

ここも大事なポイントです。定款は、

・理想
・ビジョン
・夢

を書く書類ではありません。あくまで、「この会社が、現実的にどう動くか」を書く書類です。ビジョンや想いは、

・SNS
・ホームページ
・ピッチ

で語ればOKです。


定款を理解している大学生は、起業がブレにくい

定款の意味を理解している大学生ほど、法人化で失敗しにくいということです。

なぜなら、

・会社と自分を分けて考えられる
・責任の範囲を理解している
・形に振り回されにくい

からです。


定款は「会社を守るための書類」

最後に、定款の役割を一言でまとめます。定款は、会社を縛るための書類ではありません。会社を守るための書類です。

・トラブルを防ぐ
・判断基準を作る
・ブレない軸を作る

そのために存在します。


まとめ:定款は怖がるものではない

定款とは、

・難しい法律書類
・専門家だけのもの

ではありません。「この会社は、こういうルールで動きます」を整理しただけの書類です。起業において大切なのは、定款を完璧に作ることではなく定款の役割を理解したうえで法人化を判断することです。定款を理解すると、

・法人化の全体像が見える
・「会社を作る」という行為が現実的になる

という大きなメリットがあります。定款は、あなたの起業を難しくするものではありません。あなたの起業を、社会の中でちゃんと成立させるための最初の設計図です。難しく考えずに会社設立を進めていきましょう。お時間のある方は下記も是非お読みください。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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