営業で「分からない」と言える強さ

起業を目指す大学生にとって、「営業」は最初にぶつかる大きな壁の一つです。
特に多いのが、「分からないと思われたら信用を失うのではないか」「知識不足がバレたら断られるのではないか」という不安です。

その結果、多くの大学生起業家は、本当は分かっていないことを分かったフリで話してしまうという選択をしてしまいます。
しかし、実はこの行動こそが、営業で最も信頼を失いやすい落とし穴です。

本当に営業で結果を出し、長く応援される起業家ほど、ある共通点があります。
それは――「分からない」と正直に言える強さを持っていることです。

「分からない」は弱さではなく、誠実さの証明

多くの大学生が誤解していますが、営業において「分からない」と言うことは、決して弱さではありません。
むしろそれは、「嘘をつかない」「誤魔化さない」という姿勢を相手に示す、非常に強いメッセージになります。

社会人や経営者が大学生に期待しているのは、完璧な知識や経験ではありません。
それよりも、

  • 正直に向き合ってくれるか
  • 無責任なことを言わないか
  • 分からないことを分からないと言えるか

といった人としての信頼性を見ています。

逆に、分かったフリをして話を進めると、少し突っ込んだ質問をされた瞬間に、必ず矛盾が生まれます。
そのとき相手は、「この人は信用できるかどうか」ではなく、「この人は嘘をついていないか」という目線に切り替わります。

営業で一度「疑い」が生まれると、その後どれだけ良い話をしても、信頼を取り戻すのは非常に難しくなります。

大学生が「分からない」と言えると、むしろ信頼される理由

大学生起業家には、社会人やベテラン経営者にはない、圧倒的な強みがあります。
それが「大学生」という立場です。

大学生が「正直に勉強中です」「そこはまだ分からないので確認します」と言うことは、決してマイナスになりません。
むしろ多くの場合、相手はこう感じます。

「無理に背伸びしていないな」
「ちゃんと責任感があるな」
「誠実にやろうとしているな」

つまり、「分からない」と言えること自体が、信頼を積み上げる行為になるのです。

反対に、大学生なのに専門家のような言い回しをしたり、曖昧な説明で話をまとめようとすると、「この子、大丈夫かな?」という違和感を持たれてしまいます。

大学生の営業で大切なのは、完璧に答えることではなく、正直に向き合うことです。

「分からない」を言えない営業は、必ずどこかで破綻する

営業の場で「分からない」を隠し続けると、次第に無理が生じます。

  • 本当は自信がないのに強気な提案をしてしまう
  • 相手の質問に曖昧な返答を重ねてしまう
  • 契約後に「聞いていなかった」「話が違う」とトラブルになる

こうした問題の多くは、最初に「分からない」と言えなかったことが原因です。

起業は、契約して終わりではありません。
むしろ契約後からが、本当のスタートです。

最初に誤魔化したまま仕事を受けてしまうと、その後ずっと「バレないようにする営業」を続けることになります。
それは精神的にも大きな負担になり、いずれ限界が来ます。

「分からない」を言える営業は、最初はゆっくりに見えるかもしれません。
しかし、トラブルが少なく、紹介やリピートにつながりやすく、結果的に長く続くビジネスになります。

「分からない」の正しい伝え方

もちろん、ただ「分かりません」と言えばいいわけではありません。
大切なのは、誠実さと姿勢です。

例えば、次のような伝え方が理想です。

  • 「そこはまだ経験がないので、確認して改めてご連絡します」
  • 「正確なことをお伝えしたいので、一度持ち帰らせてください」
  • 「今は勉強中ですが、必ず調べて対応します」

このように伝えることで、相手は「責任感がある」「逃げない人だ」という印象を持ちます。

ポイントは、「分からない」で終わらせず、その後どうするかをセットで伝えることです。

「分からない」と言える人ほど、成長が早い

起業初期は、分からないことだらけです。
営業、契約、税金、集客、経営――すべてを最初から理解している人はいません。

「分からない」と言えない人ほど、自分一人で抱え込み、成長が遅れます。
一方で、「分からない」と言える人は、周囲に教えてもらい、助けてもらいながら、圧倒的なスピードで成長していきます。

多くの成功している起業家は、最初から何でも知っていたわけではありません。
ただ、「分からない」と言える素直さと、学ぶ姿勢を持っていただけなのです。

大学生起業の営業は「強く見せる」必要はない

大学生起業における営業で、本当に必要なのは「強く見せること」ではありません。
必要なのは、「誠実であること」「逃げないこと」「学び続ける姿勢」です。

そのすべてが、「分からない」と言える強さに詰まっています。

背伸びしなくていい。
完璧でなくていい。
分からないことは、正直に認めていい。

それができる大学生ほど、応援され、チャンスをもらい、結果を出していきます。

営業で「分からない」と言えることは、起業家としての弱さではありません。
それは、信頼される起業家になるための、最初の強さなのです。

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Author of this article

大学生の頃の自分は、「いつか何かやりたいな」と思いながらも、何をすればいいか分からず、正直モヤモヤしていました。そんなある日、地元の喫茶店でたまたま車屋の社長と出会ったことが、人生のきっかけになります。
「自分もやってみよう」と思い、21歳のときに車の仕入れと販売をスタート。実家の自分の部屋に電話線を引き、名刺を作り、今思えばかなり手探りで“起業っぽいこと”を始めました。
就活はせずに学生のまま起業を目指しましたが、現実はうまくいかず、卒業後はいったんフリーターに。それでも起業への気持ちは消えず、社会経験を積もうと広告代理店に就職しました。そこで学んだことを活かし、26歳で独立。広告代理店を立ち上げ、今は40代となり会社を経営しています。
このガイドは、昔の自分のように「何かしたいけど分からないことばかり」の学生に向けて作りました。完璧じゃなくていい。一歩踏み出すためのヒントを、ここで伝えていけたらと思っています。

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