20代大学生が起業を考えたとき、多くの人が最初に悩むのが
「個人事業と法人、どっちがいいの?」
「会計って何がどう違うの?」
という問題です。
ネット上には「最初は個人事業で十分」「いや、最初から法人化すべき」と、正反対の意見が溢れています。そのせいで、余計に混乱してしまう大学生も少なくありません。
結論から言うと、
個人事業と法人には“向き・不向き”があり、会計の考え方もまったく別物です。
そして、この違いを理解しないままスタートすると、後から「知らなかった…」では済まない失敗につながることもあります。
ここでは、専門用語をできるだけ使わず、
「大学生がゼロから起業する」という前提で、
個人事業と法人、そして会計の違いをわかりやすく解説します。
そもそも「個人事業」とは何か?
個人事業とは、会社を作らずに、個人としてビジネスを行う形態です。
税務署に「開業届」を出すだけで始められ、手続きもシンプルです。
大学生起業で多いのは、次のようなケースです。
- Web制作・SNS運用代行
- ライター・動画編集・デザイン
- イベント運営・物販・せどり
- オンライン講座・コンサル系
これらは、最初から大きな資金や設備が必要ないため、個人事業と非常に相性が良いです。
個人事業の特徴
- 設立コスト:ほぼ0円
- 手続き:簡単
- 会計:比較的シンプル
- 責任:すべて自分(無限責任)
「とにかく早く始めたい」「まずは試したい」という大学生にとって、個人事業は行動のハードルが低いのが最大のメリットです。
法人(会社)とは何か?
法人とは、個人とは別の「会社」という人格を作ってビジネスを行う形態です。
日本で多いのは「株式会社」や「合同会社」です。
法人を作ると、ビジネス上の契約主体は「自分」ではなく「会社」になります。
法人の特徴
- 設立コスト:数万円〜20万円前後
- 手続き:やや複雑
- 会計:専門性が高い
- 信用力:個人より高い
- 責任:原則、有限責任
法人は、
- 売上が安定してきた
- 取引先から法人を求められた
- 人を雇う・外注を増やしたい
といった段階で力を発揮します。
個人事業と法人の「一番大きな違い」
大学生がよく勘違いするのが、
「税金が安いか高いか」だけで判断してしまうことです。
確かに税金は重要ですが、もっと本質的な違いがあります。
それは、
**「お金の考え方」と「会計の役割」**です。
個人事業の会計は「生活と仕事の延長」
個人事業の会計は、
「自分のお金」と「仕事のお金」が近い位置にあるのが特徴です。
たとえば、
- 売上が入る
- 経費を使う
- 残ったお金が、ほぼ自分の生活費になる
という感覚で運営できます。
会計の目的もシンプルで、
**「いくら儲かったか」「税金はいくらか」**を把握することが中心です。
そのため、会計ソフトを使えば、
大学生でも十分に自分で管理できるレベルです。
法人の会計は「経営のための言語」
一方、法人の会計はまったく別物です。
法人では、
- 売上は「会社のもの」
- お金は「会社の資産」
- 社長でも自由に使えない
という考え方になります。
社長が使うお金も、
- 給与
- 役員報酬
- 経費
といったルールに沿って処理されます。
つまり法人会計は、
**「経営判断をするための情報」**としての役割が非常に大きいのです。
- この事業は利益が出ているのか
- 人を増やしても大丈夫か
- 投資しても回るのか
こうした判断は、会計数字を見なければできません。
大学生起業でよくある失敗パターン
ここで、大学生起業でありがちな失敗を紹介します。
① 最初から法人にして身動きが取れなくなる
「法人のほうがかっこいい」「信用されそう」という理由だけで法人化し、
- 毎月の会計コスト
- 税理士費用
- 事務作業の増加
に追われて、本業に集中できなくなるケースです。
② 個人事業のまま売上が伸びて税金で詰む
逆に、個人事業のまま売上が伸び続け、
「思った以上に税金が高い」「お金が残らない」
と後から気づくケースもあります。
③ 会計を軽視して感覚経営になる
会計を「面倒な作業」として後回しにし、
- いくら儲かっているのかわからない
- 使っていいお金とダメなお金が曖昧
になるのも、よくある失敗です。
大学生におすすめの考え方
大学生起業では、次の順番がおすすめです。
- まずは個人事業で小さく始める
- 会計を通じてお金の流れを理解する
- 売上・取引先・将来像を見て法人化を判断する
重要なのは、
**「どちらが正解か」ではなく「今の自分に合っているか」**です。
法人化はゴールではなく、あくまで選択肢のひとつです。
会計を理解することは「経営力」を身につけること
個人事業でも法人でも、
会計を理解することは、
自分のビジネスを客観的に見る力を身につけることです。
- 頑張っているのに儲からない理由
- 逆に、楽に利益が出る構造
- 続けるべき事業・やめるべき事業
これらはすべて、会計数字に表れます。
大学生のうちから会計に触れておくことは、
将来どんな形で起業しても、必ず武器になります。
まとめ
個人事業と法人、そして会計の違いを一言でまとめると、
- 個人事業:行動しやすく、学びやすい
- 法人:拡大しやすく、信用を作りやすい
- 会計:お金の流れを見える化する道具
大切なのは、
「知らないまま選ぶ」のではなく、
「理解した上で選ぶ」ことです。
大学生起業は、失敗しても取り返しがきく貴重なフェーズです。
だからこそ、正しい知識を持ち、安心して一歩を踏み出してほしいと思います。
