起業の前にやること「事業計画をたてる編」– 難しい計算はいらない、起業前に最低限おさえる事業計画の作り方 –

はじめに:「アイデア」だけでは稼げない理由

多くの学生起業家が「良いアイデアさえあれば勝てる」と信じています。
しかし、起業はアイデアだけでは成り立ちません。

成功するためには、アイデアを“実現可能な仕組み”へ落とし込む作業=事業計画が必要です。
事業計画を立てることで、以下のメリットが得られます:

  • 何から始めるべきかが明確になる
  • 目標・期限・数字が具体化される
  • 資金調達や仲間集めに説得力が生まれる
  • 壁にぶつかった時に立ち返る「地図」になる

学生の皆さんでも安心して取り組めるように、以下では「シンプルかつ実践的な事業計画の作り方」を丁寧に解説します。

そもそも「事業計画」とは何か?

事業計画とは、「どんな価値を、誰に、どうやって届けて、どうお金を稼ぐか?」を整理した設計図です。
また、それを「どのタイミングで・どのくらいの成果を出すか」という具体的なアクションと数値で表したものでもあります。

▼事業計画の主な構成要素(学生向けの簡易版)

  1. ミッション(なぜこの事業をやるのか)
  2. 誰に(ターゲット)
  3. 何を(商品・サービス)
  4. どうやって届けるか(販売・集客手段)
  5. 競合との差別化
  6. 数字計画(売上・利益・コスト)
  7. スケジュール(実行のステップ)
  8. リスクと対応策

ミッション・ビジョンを明確にする(軸をつくる)

▶︎ ミッションとは?

あなたが**この事業を通じて実現したい「社会的意義」や「問題解決」**です。

  • 例:
     「大学生が自己理解を深めるきっかけを提供する」
     「地方に住む若者がもっと選択肢を得られるようにする」

▶︎ ビジョンとは?

数年後にこうなっていたいという、未来の理想像です。

  • 例:
     「3年以内に全国の学生1万人が使う自己分析アプリを展開」
     「地域密着型の若者起業支援拠点を10箇所作る」

Tip: ミッションやビジョンは「他人に語れる言葉」にしておくと、応援されやすくなります。

ターゲット(誰に届けるか)を定義する

起業において一番やってはいけないのが、「誰でも使えるサービスをつくること」です。
最初のターゲットは**“狭く深く”**に絞るのが鉄則です。

▶︎ ペルソナ設計

ペルソナとは、理想的な顧客像のことです。

  • 年齢・性別・住んでいる場所
  • 普段の生活(大学・バイト・SNS)
  • どんな悩みがあるか?
  • どんな言葉で検索するか?

例:

  • 20歳の都内私立大に通う女子学生
  • バイトと学業の両立に疲れている
  • SNSはInstagram中心
  • 将来に不安を感じ、自己分析や副業に関心あり

→ このように具体化することで、メッセージやサービス設計が鋭くなるのです。

商品・サービスを定義する(何を売るか)

次に考えるべきは、**あなたが「何を提供して、どんな価値を届けるのか」**です。

▶︎ 提供価値(バリュープロポジション)を考える

  • お客様のどんな悩みを、どう解決するのか?
  • それを実現する具体的なサービス・商品の形は?
悩み解決策商品の形
自己分析が苦手ゲーム感覚でできる質問診断Webアプリ
起業仲間が見つからないオンラインの起業家コミュニティ月額会員制
学費がきつい低単価でできる副業支援コンテンツ販売 or コーチング

→ このように、「悩み → 解決策 → 提供方法」をセットで考えると構造化しやすくなります。

集客・販売の仕組み(どう届けるか)

学生起業では、広告費をかけずに「届ける力」が勝敗を分けます。
SNS・コミュニティ・口コミなど、今ある資源を活用して、「見つけてもらう導線」を作りましょう。

▶︎ 無料で始められる集客チャネル

  • X(旧Twitter):個人の考えを発信 → ファン化
  • Instagram:ビジュアル中心で若年層に強い
  • LINE公式アカウント:メルマガ代わりに活用
  • note / ブログ:SEO+信頼構築
  • Discord / Slack:クローズドなファンコミュニティ

▶︎ LTVとCACを意識する

  • LTV(顧客生涯価値):1人の顧客がどれだけお金を落とすか
  • CAC(顧客獲得コスト):1人の顧客を獲得するのにかかる費用

→ 無料チャネルでLTVが高ければ、高利益が狙えます。

数字計画(収益と費用の設計)

「なんとなく」で動かず、**最初から“簡易な損益計算”**をしてみましょう。

▶︎ 3か月 or 半年分の収支計画を立てる

例:月の収支シミュレーション

項目内容金額(円)
売上オンライン講座5名×月5,000円25,000
経費サーバー代、Canva Pro、Zoom等6,000
利益売上 − 経費19,000

→ このように、“少額でもいいので利益構造”を組み立てることで、「現実的な自信」が生まれます。

▶︎ 投資が必要な場合はどうする?

  • クラウドファンディング(CAMPFIREなど)
  • 両親や知人からの借入(契約書を交わす)
  • 自治体の若者向け起業支援(補助金・助成金)
  • 大学の起業支援プログラムの活用

スケジュール・マイルストーン(いつ何をやるか)

夢を実現するには「逆算」が必要です。

▶︎ 逆算型スケジュールをつくる

  1. 最終ゴールを決める(例:半年後に月3万円売上)
  2. ゴールまでの「中間目標」を設定(例:3ヶ月後に10人の無料モニター獲得)
  3. 毎月・毎週の行動をタスク化

例:簡易マイルストーン(起業3ヶ月計画)

期間目標具体的行動
1週目アイデア検証アンケート10人、SNS発信開始
2〜3週サービス構築LP制作、Canvaで資料作成
4週モニター募集LINE登録&サービス提供
2ヶ月目改善・有料化フィードバック→商品改善、有料版リリース
3ヶ月目安定運営月3万円達成を目指し広告やコラボ施策実施

リスクとその対応策を考える

起業にトラブルや失敗はつきものです。
だからこそ、事前に「こうなったらどうする?」を考えておくと、対応が早くなります。

リスク対応策
顧客が集まらない無料提供で実績作り、SNSで別の訴求実験
想定よりコストがかかる必須の支出と削減可能なものを分ける
継続できない作業を習慣化 or 一部外注で負担軽減
売上が不安定収入源を分散(複数プラン、月額制など)

まとめ:計画は「夢の現実化マシン」

事業計画は、単なる書類ではありません。
あなたの夢を「実行できる形」に落とし込むための最強のツールです。

  • ミッション・ターゲット・サービス・届け方・お金の流れを明確にする
  • 無理のない数字計画と行動スケジュールで「やれること」を具体化する
  • リスクに備え、改善しながら進める柔軟性を持つ

最初はExcelでも手書きノートでも構いません。
あなたの想いと行動をつなぐ「地図」として、事業計画を活用してください。
それが、あなたの起業を“なんとなく”から“本気”に変える第一歩です。

学生起業家向け|事業計画書テンプレート(Word / PDF用)

上記内容をまとめた、無料の学生起業家向けの事業計画書テンプレートも作成しましたので、下記よりダウンロード頂き、実際に使ってみて下さい。